入れ歯あれこれ

入れ歯安定剤の使い方

入れ歯安定剤とは、維持や安定の悪い義歯を改善するために、患者さん自身で用いる市販の医薬部外材料をいいます。入れ歯と接する顎堤粘膜との間に義歯安定剤を入れて、吸着や噛み合わせをしたときの痛みの緩和をはかります。

しかし、このような入れ歯安定剤は、一時的な使用はよいのですが、一回の量の問題や長期間使用しているといろいろな問題が生じてきます。第一は、入れ歯と顎堤の粘膜を密接させる場合、その間に義歯安定剤が平均的に流入されないと、加圧部位での組織を変化させたり、場合によっては骨組織を吸収させたりする場合もあります。

第二に、噛み合わせは、一定の法則のもとに入れ歯が並べられて作られています。入れ歯安定剤を長期間使用していると、顎堤に対して入れ歯の装着している位置を変えたり、顎の変形をもたらす場合もあります。

あくまでも一時的に、短期的に使用するのが望ましい

したがって、義歯安定剤は、長期的に使用するという考え方でなく、入れ歯の修理、新しい義歯を作製中の期間とか、短期的に使用する場合が望ましいと思われます。

入れ歯を装着して、強く当たる場所、痛みのある所、義歯が安定しないような場合は、歯科医師にその旨を十分伝えて、専門的な立場からのアドバイスなり、使用法についての説明を受けた方がよいと思います。

入れ歯をしていないお年寄りに脊柱の曲がった人が多い?

かつては、脊柱が90度くらい曲がったお年寄りが多かったのですが、最近は少なくなりました。

その原因の一つに入れ歯の効用が言われています。すなわち、歯のない人の第一頸椎は異常に前へ突き出していますが、入れ歯の入っている人はこれが少なく、胸椎の後方へ曲がり程度も生理的範囲内にあるといわれています。

病的なものは「猫背」とか「側湾」といわれ、姿勢が悪いといって、脊柱を伸ばすように学校で教育を受けたことを覚えている方もおられると思います。入れ歯と姿勢とは、意外なところで関係があるのです。

背骨は体の中枢を支えているものでバックボーンともいわれています。

入れ歯の具合に注意して、噛み方に異常があったらチェックしますので来院してください。