細菌の固まりで出来ている歯垢の中には、歯周病菌と呼ばれる細菌が存在します。この歯周病菌は歯の周りの組織に感染し、歯肉に炎症を引き起こし、やがては歯を支える顎の骨まで溶かしてしまう病気で、日本人の80%近くの人がかかっていると言われています
ブログ
  • HOME »
  • お役立ち情報

お役立ち情報

入れ歯で食べると美味しくないんですか?

甘い、辛い、酸っぱい、苦いといった味は、舌や上顎に広く分布する味蕾(みらい)という感覚器で感じ取るようになっています。

ですから、入れ歯を入れると味が変わると言う人も多いのです。
味覚は舌だけで感じる物ではなく、上顎の粘膜や鼻も重要な役割をしています。従って上顎の大部分を覆ってしまうような入れ歯では特にそれを感じやすいと言えます。また、入れ歯の床の主な素材であるレジン(合成樹脂)には、熱や温度を遮断する作用があるので、入れ歯を入れて食べると、美味しくないと感じる要因になります。もうひとつ味覚を感じ辛くなる原因として、噛み合わせも影響してきます。

噛み合わせを調整しただけで、美味しくご飯を食べられるようになることも多いようです。これは、恐らく噛み合わせが脳に影響していることだと思われます。

また臭いを感じなくなる・唾液の出が落ちる・本来の歯に対して咀嚼効率が悪くなり食べ物を小さく切ったりして食感が変わってしまう・歯が無くなることによって本来歯で感じていた食感が失われる・入れ歯の大きさによって舌や筋肉の動きの調和がとれずに、食べた気がしない事なども大きな原因になります。

しかし人間には「慣れ」と言う大きな特徴もあり、入れ歯の調整や練習によってほとんど回復してしまう事も確かなのです。

最近ではインプラントと呼ばれる入れ歯に変わる処置法の普及や、入れ歯自体の材質の進歩により、かなり改善されてはきています。

歯のそれぞれの役割について

お口の中には親知らずを除いて上下28本の歯が存在しています。
みんなそれぞれ形が違いますね。
形が違うという事はそれぞれの役割も違ってきます。
食事をする時の働きや動きも変わってくるのです。
それぞれの役割について考えてみましょう。

まず、上下にある4本の前歯につ いて。
口元の中心にありますから見た目の審美性が大きいです。他には発音する時にも大きな役割を果たして います。もし前歯が抜けてしまったら空気が抜けてしまうので発音がしにくくなったりします。
食事をする際 の前歯の役割は、物を噛み切る事です。
硬いお肉を食べる時にちょうど良い大きさにする最初の仕事を行うのがこの前歯です。
もし前歯がなかったら、常に奥歯が使われる事になってしまい、奥歯の負担が大きくなって しまいます。奥歯が磨り減ってしまい磨耗してしまう原因にも繋がってしまいます。

前歯の後ろにある 尖った歯、犬歯は前歯と奥歯を繋ぐ役割をしています。
前歯と同様に審美性にも関わってきます。
犬歯は歯の中では一番強い構造になっています。
歯ぎしりなどにも負けない強い構造をしているので前歯や奥歯にかかる負担を軽減します。そのことから、前歯と犬歯を守る役割も果たしています。
すべての歯の中で一番長持ちするのは、根っこも一番長い事か ら犬歯とも言われています。
その後ろにある小臼歯は食べ物を引き裂く役割を持っています。
さらに、 小臼歯と犬歯は噛み合わせの位置と、顎の動きを正常に行う為の大切な役割を担っています。ですから、もし1本で も失うと噛み合わせと顎の動きに大きなダメージを与える事になってしまうのです。

一番奥の歯、大臼歯について。
食事をする時に、前歯で噛み切った食べ物をすり潰したり、細かくする役割は大臼歯が行っています。他には噛み 合わせを安定させる役割も担っています。
食べ物を食べる時に大変重要な働きをする歯ですので、もし失って しまうと他の歯に大きな負担がかかってしまいます。食物を細かくして食べる事ができないと消化器官に負担をかけ てしまったり、噛み合わせるはずの歯が無くなってしまい、噛み合わせの歯が伸びてきたり、抜けてしまった歯の隣 の歯が傾いてきてしまったりと影響は様々です。
大臼歯は奥の歯2本の事をいいますが手前の大臼歯は第一大臼歯と呼ばれ、生えてくるのは6歳前後です。
この歯は幼児期に生えてくるために、手入れが十分にできない 事が多く一番虫歯になりやすい歯でもあります。
食べ物を食べる時に大切な役割をするので長く大切に使える ように小さな時から積極的にケアして いく必要があります。

すべての歯にはそれぞれ役割があって大切な働きをしています。
どれか1本くらい無くなっても大丈 夫などという事はありません。
毎日使う歯なのですから、歯を抜く事がないようにしていく事が大切になりま すね。虫歯や歯周病にならないように今日から意識を変えていきましょう!

 

歯とお口の役割についてはこちらから

 

TCHとは?

たけしの家庭の医学でも放映されましたが、TCHは東京医科歯科大学の木野先生が名付けられました。

本来、何もしていないとき人間の上下の歯は接触していません。くちびるを上下閉ざしていても上下の歯は触っていないのです。上下の歯は会話、食物の咀嚼、食物の嚥下という動作をするときに瞬間的に触るだけです。ですから接触時間は1日に20分以下です。ところが、何かの作業をしているとき、考え事をしているとき、テレビを見ているときなどに上下の歯を触らせたままにしている人がいます。たとえ強くかんでいなくとも、上下を軽く接触させただけで口を閉じる筋肉は働いてしまうのです。この不必要な上下の歯の接触という癖をTooth Contacting Habit (TCH)と名付けられました。

TCHの力が、口腔領域に持続的にかかっていると、その力に適応しようとする反応が起きます。適応できる範囲を超えた力がかかると、耐えられない部分に障害が起きてきます。顎の関節にかかる力が限界を超えれば顎関節症になり、歯を支える組織の限界を超えれば、歯がグラついてきます。歯にかかる力が限界を超せば、歯が摩耗したり、破損したりします。

 
TCHと歯周病

プラーク(歯垢)がうまく除去出来ていないと、プラークの付着によって歯肉が腫れ、結果として歯と歯肉の境に歯周ポケットができ、次第に深くなっていきます。ポケットの深さと連動して、歯を支えている骨もなくなってきます。その状態に、TCHによる歯を横に動かす力が加わると、歯の動揺とともに急速に骨がなくなり、やがて抜けることになります。TCHは、歯周病の進行を急速に早める原因になります。

メインテナンスで口腔内を健康に保ちましょう

私たちは家を新築したあと、掃除・破損箇所の修繕と、住まいの管理を行います。歯の病気、歯周病も家と同様、日常の管理・メインテナンスが大切です。

自己管理スタート

歯周病に罹ると、歯科医師や歯科衛生士に歯の磨き方を指導してもらい、歯石を除去し、歯の喪失した部位にブリッジや義歯を入れるなどの治療をしてもらいます。しかし治療が終わったあとも、残っている歯・歯周組織の健康や、義歯が口の中で快適に機能し、よく噛むためには、日常の手入れが大切です。これは家庭における自己管理といわれ、歯周病を悪化・再発させないため、予防のために大切なことです。
歯周病の管理は、治療が終了してからが大きなポイントなのです。

歯科で定期検診

自己管理と同時に、定期的に歯科医院に来院し、口腔内の状況についてチェックを受けることが必要です。これを、メインテナンス治療といいます。その期間は、3か月に1回とか6か月に1回、ないし1年に1回と、患者さんの病気の程度、治癒の状態によって一律ではありません。

4か月に1回来院して下さいといいますと、なぜ治療が終わったのに来なければいけないのですかと質問をされる患者さんが多数います。これは、歯周病というのは感染症で絶えずチェックをしていないと悪くなる可能性が100%あるためです。局所的原因は細菌によるプラーク(歯垢)ですが、プラークは毎回食事をすることによって食物の残渣とともに形成され、歯茎に炎症を起こします。歯磨きは、この歯と歯茎のまわりに付着したプラークを除去するために行います。

メインテナンスで歯を長持ちさせる

このように定期的にメインテナンス治療を生涯にわたって受けた人と受けなかった人との間では、歯の喪失率が大きく違っています。たとえばHirschfeldとWassermannはメインテナンス治療を行った600歯について次のような報告をしています。4~6か月間隔でリコール治療を15~50年続けた患者さんは、なんと年間歯の喪失率が0.7歯であったと述べています。筆者も大学病院で約500歯のメインテナンスで、3か月リコールで喪失例は10~15%、400歯は20~30年、健康に歯と歯周組織を維持されていました。これらの報告からもメインテナンス治療の重要性が認識されるでしょう。

歯周病と咬合性外傷、ストレスの関係

歯にかかる大きな力

歯周病は、一般的にいって歯茎のまわりに炎症が起きて、歯茎だけでなく歯茎と歯のまわりを支えている歯根膜線維や歯槽骨を侵していく病気です。原因の一つには歯垢(プラーク)があげられます。この歯垢の大部分が細菌で、残りは歯肉上皮や赤血球などを含んでいます。

また、歯は物を食べたり、話をしたりするという重要な役割を持っていますが、それは上顎と下顎の歯が噛み合う作用で行われます。物を食べるときには、上下の顎の歯に大変大きな力が加わり、それは、とくに奥歯では瞬間に、60キログラムもの力が加わるといわれています。

このような力を、顎はよく支えているものだと思いますが、歯と顎の間には歯根膜とよばれる靭帯様の膜があり、この歯根膜は力が直接顎に伝わらないように、緩衝作用、すなわち「クッション」の役目を果たしています。
歯周病が高度に進行すると、クッションの役目の歯根膜線維が崩壊して、歯が動き出してきます。俗に噛む力が少なくなり、硬い物が食べられなくなるという状態です。このような状態で、さらに噛み合わせのときの強い力が局所的に加わる(外傷性咬合)と、歯周病と両者で相乗作用を起こし、歯周病はますます悪くなっていきます。

ストレス解消で歯も健康に

最近は、このような器質的な変化のほかに、精神的なストレスが加わって歯周病をますます悪化させる場合が出てきます。
“ブラキシズム”といって、就寝後、上下顎の歯をガリガリ音を立てて噛む人がいます。俗にいう「歯ぎしり」です。他人が聞くとすごく気味の悪いものですが、本人の意識は全くありません。このブラキシズムが生じるときも、歯には多大な力が加わり、歯周病を悪化させる原因となります。

バイトガード、ナイトガードという上下顎の歯が噛み合わないようなスプリントを口の中に入れて治療をしますが、咬合性外傷を器質的に治しても、精神的なストレスからも生じることがあるため、この場合は精神的に抑圧されたものを除去しないと治らないということになります。それにはどのようなストレスかを十分に知ることが大切です。

そのためには、患者さんに対して、日常生活の中で問題になるようなことを洗いざらい話をしてもらい、その中から注意深くKEYとなる問題点を探り出す必要があります。さらに意識下のストレスの原因がつきとめられたとしても、ただ「嫌なことを忘れなさい」というだけでなく、精神的な安定をはかれるよう精神面のフォローも、歯周病に打ち勝つためには必要なものなのです。

スケーリング(SC)、ルートプレーニング(RP)はどんな治療法

スケーリング(SC)とルートプレーニング(RP)は、歯周治療の一番始めに行う治療です。

スケーリングとは、歯冠や根面からスケーラーという器具でプラーク、歯石、ステイン(着色)を除去します。

ルート・プレーニングは粗糙な歯根面が内毒素(LPS)で汚染されたセメント質、象牙質を除去し歯根面を滑沢にして再び歯石が付着することを阻止し、線維性付着や上皮性付着を生じやすくします。

臨床では、両者の区別が判然としない場合はスケーリング・ルートプレーニング(SRP)で、まとめて行います。

SRPの目的

歯周ポケット内に存在するグラム陰性嫌気性菌を除去して、ポケット内の細菌叢をグラム陽性菌へ変えることです。これは、ポケット内の炎症を除去して、ポケット内の環境を変える方法です。この処置は、浅いポケット(4ミリ以内)で効果を期待できます。

SRPの方法

歯周ポケット内の深さを知るのに、プロ―ビングを行い、ポケットの深さを測定します。4ミリ前後の深さを指標にSRPを行います。一般的には手用スケーラーで各歯に適したキュレット型スケーラーでプラークや歯石を除去します。また、超音波スケーラー機器を使用することもあります。効率性はよいのですが、歯面に沈着した歯石の除去や根面滑沢が手用スケーラーに比べて、取り残しのリスクがあります。

SC、RPの考え方

SRPの手法は、歯周治療の基本で重要です。とくに、歯科衛生士の重要な役割の一つですが、法令上、歯肉縁下の処置に関しては、歯科医師の監督のもとに行うという制約があります。歯科衛生士の業務拡大は、患者さんの要望にも応えられ、歯周病予防にも大きな役割を果たすものと考えています。

歯周治療についてはこちらへ>>

消毒と滅菌の違いとは

歯科医院で使われている器具は本当に綺麗なのかな?
お口に入れるものなんだから当然綺麗なものなんでしょう?
まさかこの針は使い回しなのかな?
など色々と不安になった方もいるんではないでしょうか?

歯科医院での消毒滅菌についてお話したいと思います。

Wikipediaによると、
消毒→
消毒は、対象物に存在している病原性のある微生物を、その対象を使用しても害のない程度まで減らすことである。
この手段として滅菌が行われることもあるが、殺菌せずに病原性を消失させることにより消毒が達成されることもあるので、殺菌や滅菌とは少し意味合いが異なる。

滅菌→
滅菌は、有害・無害を問わず、対象物に存在しているすべての微生物およびウィルスを死滅させるか除去することである。確率的な概念からは菌数をゼロにすることはできないので、無菌性保証レベルが採用される。同じ概念が日本薬局方においても「最終滅菌法」として採用されている。これは、滅菌操作後、被滅菌物に微生物の生存する確率が100万分の1以下であることを意味している。
滅菌がこれらの中でもっとも厳重な方法であるが、その用途は限定される。
手洗いなどの際「ヒトの手指を消毒する」ことはできるが、滅菌することはできない。
「ヒトの手指を滅菌する」ことはすなわち手指の細胞ごと全部殺すことだからである。

 

Wikipediaでさらに詳しく知りたい方

歯科医院では、どのような物を滅菌しているのでしょうか?
歯科医院の滅菌では基本的に器材(デンタルミラー、ピンセット、スケーラー等)は洗浄されて、滅菌パックに入れて密閉し、オートクレーブという専用の滅菌機械で滅菌されます。
オートクレーブとは滅菌温度は121℃、滅菌時間が約25分で器具を滅菌できる機械の事です。滅菌が終われば紫外線滅菌灯という専用の保管場所に保管されます。

患者さんに使うグローブ、注射の針や、患者さんのコップ、エプロンなど使い捨てできる物は一人一人に用意して、治療が終わったら捨てます。最近ではスリッパも使い捨ての所も増えています。
使い捨てだと今のエコの時代には少しもったいないような気もしますが、医療現場などの、血を扱う場所では「使い捨て」は必要です。
もちろん手指やゴムグローブは滅菌できません。手指の細胞をすべて殺す事はできません。ゴム手袋はゴム製なので滅菌できないので、きちんと消毒をしてから、患者さんに使用します。
滅菌と消毒それぞれ適切に医療現場では使われています。
その他に患者さんの口腔内に直接触れないような、血や削りカスが飛んでしまう床や患者さんの座る治療イス(ユニット)などはオートクレーブに入れて滅菌はできないので消毒をして清潔な状態を保ちます。

エイズやウィルス性感染症は血や唾液を解して、感染してしまいます。そのような事を防ぐ為にもこのような、消毒や滅菌がとても大切になってきます。

 

歯医者さんに行って治療する時に使われている器具はこのような手順を踏んで清潔な状態になっているなんて初めて知った人も多いかも知れませんね。
洗剤や手洗い石鹸など普段から使ったりする物や聞く言葉にも、「除菌」などもありますね。それぞれ違いがありますから、目についたら少し気にして見てはどうでしょうか。

知っておこう!赤ちゃんのお口の中!

みなさんは、赤ちゃん歯がいつごろから生えてきたり、どのように歯を磨くのか知っていますか?

今回は赤ちゃんの歯やお口の中について詳しくお話したいと思います。

赤ちゃんはいつから歯が生えるのでしょうか?
みなさんも知っているように、生まれたばかりの赤ちゃんはまだ歯が生えてきていません。
一番初めに生えてくる歯は6ヶ月頃に下の前歯が2本生えてきます。
次に10ヶ月頃に上の前歯が2本生えてきます。
そして1歳になった頃に、上下4本ずつ前歯が生えてきます。
1歳4ヶ月頃に上下左右1本ずつ奥歯が生えてきて、2歳6ヶ月頃にはさらに上下左右の奥歯が1本ずつ生えて乳歯が生えそろいます。
生えそろった乳歯は全部で20本です。

赤ちゃんの口の中には、虫歯の菌や歯周病の菌は存在しません。
そのため生まれたばかりの赤ちゃんは、最初の感染は親などの唾液からの感染と言われています。
例えば、お母さんが口にした食べ物を赤ちゃんの口に運ぶことで感染したり、お母さんから口移しをしたり、可愛さゆえにキスをするなどでも感染すると言われています。
しかし、いくら感染しないように気をつけていても、何らかの理由でいつかは感染してしまうことがあると思います。
ここで大事なことは、お母さんのお口の中に歯周病や虫歯などを作らないことです。
もし虫歯や歯周病になっていたら放置しないで歯科医院を受診するようにしましょう。
出産前につわりなどの症状がなければ、定期的に検診にいくのもいいのかもしれませんね!

赤ちゃんの歯はどのように磨いたらよいのでしょうか?
最初の歯が生えかけのうちは、お母さんの人差し指などにガーゼを巻きつけ、歯ぐきの部分や、歯の先端などを拭きとってあげる方法でお口の中を清潔にしてあげましょう。

歯が半分くらい生えてきたら、小児用の歯ブラシで歯磨き粉は使わず、優しいタッチで小刻みに磨いてあげてください。

お母さんだけが磨くのではなく、お子さん自身にも歯磨きに興味をもってもらうのも大切です。
最初は、歯ブラシをお口の中に入れる練習をしましょう。
磨かなくても入れるだけで、歯ブラシに慣れてもらいましょう。
歯ブラシを嫌がらずに口に入れられるようになったら、少しずつブラッシングが出来るように練習をしていきましょう。

初めのうちは、一人できれいに磨くのは大変なので、しっかりお母さんが仕上げ磨きをして清潔なお口の中を保つようにしましょう。

詳しい磨き方についてはこちら→

 

歯磨きと歯磨剤(材)

■歯磨剤のはたらき(作用)

そこで、歯磨剤の作用について考えてみますと、

  1. 歯面研磨、清掃効果を期待する機械的作用
  2. 吸着、発泡、溶解、分離、中和などの科学的作用
  3. 殺菌、抗菌作用などの生物的作用

などに分けられます。歯面を研磨、清掃するのは、生活物質の汚れを除去するために不溶性物質によって機械的に除去する方法です。リン酸カルシウムや水酸化アルミニウムなどがあります。

吸着、発泡、分離、中和作用は、歯磨剤の中の泡立たせる物質によって行われ、界面活性剤など、汚れた歯面を化学的に清掃する物質が入っています。

抗菌、殺菌作用は、口腔内の細菌の発育を抑制したり、殺菌することでむし歯や歯周病を予防します。これらをうまく利用して歯ブラシと併用すると口の中を清潔にするのに効果があるわけです。

二度磨きで完璧

歯ブラシに歯磨剤をつけて磨くと、前述の発泡作用や清涼感を持たせるために入っているペパーミントなどのために、十分ブラッシングをしないうちに口の中が泡で一杯になることがあります。おまけに口をすすぐと、清涼感のため口の中が清潔になったという錯覚にとらわれる傾向があります。せっかくの歯磨剤も、しっかりと歯を磨き終わらないうちに吐き出してしまっては台無しです。

そこで、歯口清掃法として、筆者らが勧めている方法をご紹介しましょう。

まず、歯ブラシに歯磨剤をつけないで、歯ブラシの毛先の効果を狙って、歯全体の汚れが除去できるよう隅から隅まで丁寧に磨きます。磨き残しのないよう十分磨いたら、その後歯磨剤を歯ブラシにつけてもう一度磨きます。とくに汚れの付きやすい下顎の前歯部やその裏側、上下顎の臼歯部の裏側などはきれいに磨きます。全体がまんべんなく磨けたら、口をすすいで終わります。

このようにしますと、汚れの取り残し部分が少ないこと、コーヒー、みそ汁、お茶といった付着しやすいステインがつくのを防止することができます。またプラーク除去もできますので、むし歯や歯周病にも効果的で、一石二鳥というわけです。

知覚過敏とはどんな病気

象牙質の露出が原因

象牙質知覚過敏症とは、むし歯、歯周病、咬耗や摩耗歯の破折、酸性食品の過剰摂取などによって露出した象牙質に刺激が加わると、一過性に痛みや冷熱痛を感じる疾患です。主な形態としては、歯頚部(歯のまわり)や根面部が機械的な力(歯磨きを横磨きで強く行うなど)でえぐり取られたような形がみられ、全歯の約20%くらいに発症率があるといわれています。
また知覚過敏は、歯周病治療でスケーリング、ルートプレーニングといった歯根面の歯石や汚れを除去する治療を施した場合、一過性の反応として生じる場合もあります。

知覚過敏症の原因と対策

知覚過敏症は、「しみる」とか「痛み」の症状にちなんだ病名で、その作用機序については不明な点が多いのですが、露出した象牙質に機械的刺激や酸性食品の取り過ぎ、過度の噛み合わせなどが加わると、象牙細管内の組織液が刺激によって移動し、歯髄、象牙質内の神経終末を興奮するために起こるという動水力学説が有力です。
したがって治療としては、露出した象牙細管をブロックすることで知覚を遮断する方法がとられ、その遮断薬として現在いろいろな薬が開発されています。

また、軽い場合は歯をきれいに磨くことで自然に治癒することもあります。歯を磨く際、過度な力で大きく横磨きをすると、歯と歯茎の境界にくさび状に欠損を生じるのでよくないといわれています。磨き方の改変と、逆に少ししみたり、痛みがあるからといって歯を磨くのを怠りがちになると、プラークが付着してきますから、象牙細管がさらに開口され、脱灰を促進することになり、その症状をますます増幅することになります。

最近は、歯磨剤の中に知覚亢進を抑制する薬剤、たとえばフッ素化合物、乳酸アルミニウム化合物などを入れた歯磨剤が市販されています。しかし、知覚が亢進して温熱反応(お湯を含んだり、熱いものを食べるとズキーンとくる痛み)のある場合は、神経(歯髄)を取らなければいけない場合もみられます。

早めの修復も肝心

象牙質知覚過敏症は、人によって痛覚閾値が異なるため、症状と象牙質の露出状況は必ずしも一致しません。万一、くさび状にエナメル質が削られ、象牙質が露出してしまった場合は、早めにコンポジットレジンなどで修復填塞することが必要ですし、歯の磨き方にも注意する必要があります。

歯石はなぜ、たまるの

歯周病は生活習慣病の一つ

歯石は、プラーク(歯垢)の石灰化したもので、歯茎と歯の間に沈着する硬い固まりのことです。なぜ歯石がつくかというと、プラークを機械的に取らないためです。

生活習慣病は、食事の偏り、運動、休憩、喫煙、アルコールなどの習癖とそれらの伸展に伴って発症する疾患といわれています。歯周病が歯科の疾患の中で、唯一生活習慣病としてあげられている理由は、日常生活習慣に左右されるからです。正しい歯磨きを行って、プラークを除去していれば歯石はつくはずがないという理屈になりますが、それではなぜ、歯石がたまってしまうのでしょうか?

プラークが放置されると歯石に

プラーク(歯垢)が歯や歯茎のまわりに付着すると、歯茎は白血球の防御力が作用して、歯茎を守ります。しかし、白血球の殺菌力が弱くなると、細菌毒素や酵素などが反応して炎症が生じます。次第に歯茎内部の血管が拡張し、血液成分が滲出液となって、歯肉溝(ポケット)上皮から滲出します。一部では、防御する好中球が敗れて膿となって出てきますが、このときに、歯や歯茎のまわりを清潔にしておけば、炎症症状はなくなり、歯茎も元どおりに回復する可能性があります。

しかし、そのまま放置しておくと、血清が石灰化して歯石がセメント質に沈着します。そして、唾液中のカルシウムやリン酸と結合して、より強固な石が歯茎や歯の下方部分にできてきます。これらの沈着物が歯石といわれ、歯を磨いただけでは取れません。歯石はほかの臓器、たとえば腎・肝・唾液管などに沈着する石と同じような異物です。この異物を放っておくと、痛みを伴ってきます。ほかの臓器は内部で閉鎖されていますが、歯石は幸か不幸か、歯茎が外部へつながっていますので急性症状があっても、一部が外部への逃げ場を持っているため、症状がひどくなりません。そのため、放置している人が多いのです。

まずプラークの除去を

治療する際には、このような異物はきれいに除去し、感染予防のために口の中を清潔にして治療を行うのが原則です。長期間放置したままでいる人は、下顎の前歯部の裏側や、上顎の奥歯の表面などに歯石がピッタリと沈着しているケースがみられます。これは、歯茎を痩せさせたり、ポケットの中の歯石はさらにポケットを深くしたりして、歯をグラグラにしてしまう原因になります。

歯石を取ったあとで、歯と歯の隙間が大きくなったとか、歯がしみるといった訴えをよく聞くことがあります。これは治療でセメント質の毒素をきれいに除去したためであり、歯茎が痩せてきたのを回復するには時間がかかるので、少し我慢をしてよく磨くようにすれば、自然と治る場合が多いようです。

いずれにしても、歯石を放置しないようにすることです。そのためには、歯周病の原因であるプラークの段階で早いうちに除去することが大切になってきます。

歯周病についてはこちらへ

歯ぐきのマッサージで歯ぐきケア

歯ぐきをじっくりと見てみましょう。どんな色をしていますか?
綺麗なピンク色でしょうか?少し黒っぽくなっていますか?
または腫れていたりしませんか?

歯は毎日磨くけれど意外と、歯ぐきの事はついつい忘れがちです。
健康な歯ぐきの状態について考えてみましょう。
健康な歯ぐきとは、淡いピンク色をしています。歯と歯の間の歯ぐきは綺麗な三角形になっているのが健康な状態です。目で見てすぐ分かりますからみなさんもチェックしてみて下さい。歯を家に例えると、歯ぐきは家の「土台」の部分になります。
土台が悪いと家はやがて崩れてしまうのと同じように、歯ぐきの状態が悪いとやがて歯が抜け落ちてしまう原因になります。

歯ぐきは、お肌と同じ成分で出来ています。お肌はケアはこまめに行う人は多くいますよね。同じように歯ぐきのケアも必要なんです。お肌のお手入れを怠ればどんどんと老化していくのと同じで歯ぐきもお手入れを怠れば老化して行ってしまうのです。

歯ぐきの構造についてはこちら。

若いのに、お肌が艶が無く老けて見える人もいますし、60代の方でも若々しいお肌を持った方もいらっしゃいます。日頃のお手入れが関係してこのような違いがでてきます。
歯ぐきにも同じ事が言えるのです。

歯ぐきの老化で一番の原因は歯周病、喫煙です。
歯周病が進行して行くと歯ぐきはどんどん変化していきます。
健康な歯ぐきの引き締まった淡いピンク色から、

軽度→歯と歯の間が少し腫れて赤くなります。
歯ぐきの三角形部分が丸くなります。

中等度→歯石が付着、出血が見られる。
歯ぐきが少し下がってくる。骨の破壊が進み始めている。

重度→さらに歯石の付着が多くなる。
骨の破壊もさらに進む。歯は揺れる。

長期の喫煙をしている人程、中等度~重度の歯周病の割合が多くなっています。
ニコチン等の有害物質などが血管を収縮させるので、歯ぐきを低酸素状態にして免疫力の低下を引き起こすと言われています。

歯ぐきの腫れが少なく、ブラッシング時の出血が少ないので進行しても強い自覚症状が現れない為に、気付いたときにはかなり進行しているという事も少なくありません。
健康な歯ぐきを保つには禁煙についても考えなければいけません。

お肌のケアと同じように歯ぐきのケアも必要と先ほどお話しましたが、ここでは毎日ご自分でできる歯ぐきのマッサージについて説明したいと思います。

①まず前準備として歯みがきをして、きれいに汚れをとる。
②人差し指の腹を使って、歯と歯ぐきの境目と歯ぐき全体をゆっくりとなでる。
③同じように人差し指の腹で、上下の歯一本一本の歯と歯ぐきの境目の三角形の所(歯間乳頭部)を小刻みにこする。

血行が良くなる入浴時に行うと効果的でしょう。また、マッサージを行う時は爪などで傷つけてしまわないように優しく丁寧に行いましょう。
マッサージ前の歯磨きでも、柔らかめの歯ブラシで歯と歯ぐきの間を優しくマッサージするように磨くのも良いですね。

お肌のケアと合わせて歯ぐきのケアも初めてみませんか?

 

 

 

歯茎のガン?!

みなさん!歯茎もガンになるって知っていましたか?
歯茎のガンを歯肉ガンといいます。
お口の中にできるガン(口腔ガン)の一つです。
ガン全体の比率からすると口腔ガン自体があまり多くはないので歯肉ガンもまれなガンとなります。そのため耳にしたことのある方は、少ないのではないでしょうか。

歯肉ガンは40歳以上の特に男性に多く発生します。
場所は奥歯にできるのがほとんどです。
症状としては、初期の段階で、歯の痛み・歯茎の腫れなど歯茎の炎症と同じような症状が起こります。
また、こぶのようなものを作ることがあります。

ガンが進行していくと、こぶの部分がしこりになり潰瘍ができ、神経痛のような痛みを伴ったり、悪臭を放ったりします。
また、歯茎のすぐ下にある骨(上顎骨、下顎骨)へとどんどん広がっていきます。
そのために歯がグラグラしてきたり、歯が抜け落ちたりすることがあります。
さらに進行していくと、頬粘膜、舌の根元を包んでいる部分(口腔底)、口腔内の上の歯の裏の硬い部分(口蓋)などの周りに進んでいきます。
リンパ節などへ転移することもあります。
症状や、見た目が口内炎などの軽い炎症と似ているために、間違われることもあり、ガンが進行してしまうケースもあります。

歯肉ガンの原因はいったい何なのでしょうか?
歯肉ガンの原因はまだはっきりしたことは分かっていませんが、虫歯や歯石などがあり口の中を不潔な状態にしていたり、タバコ、アルコールの刺激、歯のかぶせ物などの金属や入れ歯による慢性的な歯茎への刺激などがガンの発生と関係があると考えられています。

歯肉ガンを予防するにはまず、食生活・生活習慣などを改善することです。
食後は歯を磨く習慣をつけ、口腔内をいつも清潔にすることや、禁煙、バランスの取れた食事をする、適度な運動、しっかり休養することが大切です。

食事では、近年ガンの発生要因と言われている「活性酸素」を抑える物質を含む食品を摂取することもガンの予防と言えるでしょう。
活性酸素を消去する物質としてはビタミンA・B・C群やイソフラボン、ポリフェノール、プロポリス、カロチノイドなどがあります。

ガンの予防だけでなく、いつでもお口の中は清潔に保っておくようにしましょう!!

歯肉ガンについてはこちら⇒

口ポカーンが増えている!!

近年、ポカーンと口を開けている若者が増えているとマスコミなどで取り上げられています。

口がポカーンと開いていると口呼吸となり、それによって生ずる問題としては、口腔内にプラークが付着しやすい、粘膜に変性が生じやすい、歯肉が腫れやすいことなどが知られています。

特に歯肉の病変は、上顎前歯部では口呼吸線、口蓋歯肉では堤状隆起として知られています。また、う蝕発生のリスクが高くなることも明らかになっています。何より、常に口が開いていると、口元の締まりのない顔になってしまいます。

このように、ポカーン口や口呼吸は、歯周病をはじめとするさまざまな疾患のリスクファクターとして以前から問題視されていました。さらに最近では、口呼吸の影響として、口臭や舌苔が生じやすい、喉が腫れやすい、風邪をひきやすい、アトピーの発症と関係している。

もっとも、他の動物においても口呼吸は異常な状態で、動物を対象とした口呼吸の実験では、猿の鼻を塞いだところ死亡した例もあるほどです。このように、動物にとって口を開けていることは生理的に望ましくない状態であることは明らかです。

歯ブラシの他に補助用具を使いましょう。

みなさんは毎日、歯を磨いていますか?ほとんどの方が磨いていると答えるでしょう。
歯磨きの他にフロス、歯間ブラシなどの補助的清掃用具を毎日使っている方はどうでしょう?もしかしたらあまり多くはいないかも知れません。
歯ブラシを使う他になぜ補助用具が必要なのでしょうか。

虫歯のできやすい所とは、咬み合わせの溝の部分、歯と歯の間、歯と歯ぐきの境目の3ヵ所です。
歯垢や食べカスは目に見える歯の表面や裏側だけでなく歯ブラシがなかなか届きにくい、歯と歯の間にたくさん溜まっていきます。もし、適切な補助用具を使わず毎日、歯と歯の間に食べカスが溜まり続けたらどうなってしまうでしょうか。
おそらく、その部分から虫歯や歯周病や口臭が引き起こる事が考えられます。毎日のブラッシングとセットでフロスや歯間ブラシを使用する習慣をつけていきましょう。
歯ブラシだけで磨いた場合は約50%程しかプラーク(歯の汚れ)を除去できませんが、そこにフロスなどの補助用具を併用することでプラーク除去率は90%まで上がります。
プラークコントロールは一日一回、プラークを隅々まで取ることを言います。なので、一日一回は補助用具を使うようにしましょう。プラークの細菌は24時間たたないと悪さをしないのでゆっくりと時間の取れる夜の歯磨き時間に補助用具を使った清掃を行うと良いでしょう。

デンタルフロスとは、弾力のある細い線維の束でできている糸を歯の間に入れて線維の束で歯の間の汚れを巻き取るようにして取り除く道具です。
糸だけのタイプとホルダー付きのものと2種類あります。ホルダー付きのものは奥歯に使いやすいので、初心者の方にオススメです。
使い方は事前に歯科医院でレクチャーを受けると良いでしょう。
歯間ブラシとは、歯と歯の間に隙間が大きく開いている場合に有効と言えます。
また、ブリッジ、ブリッジのダミーの歯の所などに使用すると効果的です。
歯間ブラシにはL字に曲がったタイプとストレートタイプがあります。最初は難しく感じますが、慣れれば簡単に行えるようになります。太さも色々ありますので自分に合ったサイズを使いましょう。合わないサイズを使ってしまうと歯や歯ぐきを傷つけることがあります。事前に歯科医院で自分にサイズを選んでもらって正しい指導を受けましょう。

どちらも鏡を見ながら、ゆっくりと行って適切なプラークコントロールをする習慣をつけて行きたいですね。
歯科医院に行って虫歯を治療しても、自宅でのホームケアがしっかりとしていないとまた再発を起こしてしまいます。健康なお口を保つには、ご自身のご家庭でのホームケアと、歯科医の協力の二人三脚で初めて成り立つと言えるでしょう。
今日から、歯ブラシに他にプラスしてみてはいかがでしょうか?

歯間ブラシについてはこちら→

抜く?抜かない?親知らず!

親知らず(智歯)は、思春期後半から二十歳を過ぎたぐらいから生え始める事が多いと言われています。
最近では、物を食べる時によく噛むことが少なくなってきたためか顎の小さい人が増えてきています。
そのため、親知らずが生えてくるスペースが確保できないので生えてこないまま骨の中に埋まってしまったり、斜めに生えてきてしまったりしてしまいます。
親知らずについてWikipediaより→

また親知らずは一番奥の歯なので歯ブラシが届きにくく、特に斜めに生えてしまった歯は虫歯にもなりやすい歯となります。
親知らずが虫歯になってしまうと、一番奥の歯ということもあり、虫歯の治療をする際、器具が届かないなどの理由で抜歯をしなければいけなくなることがあります。
少し磨きにくいかもしれませんが、鏡などを見ながらタフトブラシなどを併用し、細かく磨いてあげましょう。

《親知らずの病気》
親知らずには、虫歯以外にも智歯周囲炎という病気があります。
智歯周囲炎とは、親知らずが生えてくるときに、完全に生えてこなかったり、斜めに生えてしまったために、食べかすなどが親知らずの周りの歯ぐきや隣の歯との間に入り込み不潔な状態になることで起こります。
症状としては、歯ぐきの周りが赤く腫れ、噛んだり物があたったりすると痛みがあり膿がでてきたりします。
その他にも、口が開きにくくなったり、つばなどを飲み込んだ時にのどに痛みを感じることもあります。
さらに症状が進むとほとんど口が開かなくなり、頬や顎の下まで腫れてきたりします。
このような症状が出てきて適切な処置をしない場合、骨膜炎や蜂窩織炎を発症することがあります。
治療の方法としては、歯ぐきの周りをよく洗浄し、清潔にした後抗菌薬を投与します。
膿がたまっている場合は切開することもあります。
症状がなくなった後、原因となった歯を抜歯します。

《ティースバンク》
親知らずが健康な場合でも抜歯を希望される方も多いと思います。
その“健康な歯”そのまま捨ててしまうにはもったいないですよね?
そこで、【ティースバンク】歯の銀行に預けるという方法があります。

ティースバンクとは、健康な歯を冷凍保存しておくというシステムです。
冷凍保存した歯は将来、事故で歯を失ってしまったり、重度の虫歯になって歯を抜かなければならない時などに解凍して再利用することができます。
例えば入れ歯やインプラントの代わりに抜けたところに移植することができます。
冷凍保存が可能な歯は、移植しても生着が可能である健康な歯に限ります。

このように、親知らずには良い面も、悪い面もありますが、親知らずが生えてきている方はぜひ自分の親知らずはまっすぐ生えてきているか、斜めに生えているかなど観察してみてください。

歯周病と体機能の深い関係

1)失いつつある噛む習慣

動物はみんなで同じものを食べるということはほとんどしません。たとえばライオンは家族のために狩りをしますが、人間のように食卓を囲んで同一の食べ物を分け合いながら食べるつまり「共食」ということはしません。人における食は文化性がありますし、命を長らえる以外の社会的な意味があります。

楽しみながら時間をかけて食事をとる、というのが人間の本来あるべき姿ですし、栄養学者のフレッチャー氏や貝原益軒も、よく噛むことの大切さを説いています。

南欧には昼食に2~3時間近くかける習慣があり、かつては大家族で食事をすることが当たり前だった時代がありました。現代では、そうした習慣はEU統合などの事情で廃止の傾向がみられます。もともとそうした習慣のないわが国では今、一人で食事をする個食や立ち食いが増加し、多くの人が仕事の合間に食べ物をかき込み、そしてまた仕事に戻るというスタイルをとっています。

個食やファーストフードの広がりとともに、食べる行為は義務化され、「ついで」にたべるような感覚になっているようにみられます。

そうした環境で育つ子どもたちは、個食に慣れてしまい、みんなと一緒に食事をするという習慣がなかなかみにつきません。

2)噛むことは脳の活性化につながる

噛むことは、脳の活性化につながります。口内の半分が歯周病で歯がグラグラしている患者さんに対して、ファンクショナルMRI(磁気共鳴装置)で脳内を調べました。

患者さんにMRIの中で歯を噛みしめてもらい、脳内の血流の様子を観察したところ、歯列がある側と逆サイドの脳内で血流が活性化しました。

よく噛むことは記憶力の回復にも関係しているといわれていますが、これも事実です。
ネズミの実験で、固い餌を与えたネズミと軟らかい餌を与えたネズミとでは、迷路での問題解決速度に差が生じることが明らかになっています。

よく咀嚼できるということは、身体の健康に関連することはいうまでもなく、脳の活性化にも大きな影響を与えています。ですから歯周病はしっかり治療すべきですし、歯が抜けている場合はそこに人工物を入れて、十分に噛める状況を作らなければなりません。

3)よく噛むためには歯肉が健康であることが前提

よく噛むためには口の中が健康であることが大前提ですが、「よく噛みなさい」といわれても、噛めない条件にある場合があります。歯が痛かったり、グラグラしていれば当然噛めません。

先に述べたように、歯周病にかかってもやはり噛めなくなります。前者の場合は「痛くて噛めない」と自覚がありますが、歯周病の場合は気づかないうちに噛めなくなるという特徴があります。サイレントディジーズと呼ばれるゆえんです。

歯周病についてはこちらへ

“いつまでも自分の歯を大切にしたい皆様へ”

歯周治療の長期的な治療効果に関する臨床研究により、専門家による歯周治療後のメンテナンスケア(maintenance care)が、治療上欠かすことができないものであることは明確に立証されております。このことはまた、メンテナンスケアが治療効果を長期に維持するための唯一の方法であることをも示しています。

(参照:リンデ 臨床歯周病学とインプラントより)

上の文章の「歯周治療」は「歯科治療」と置き換えることもできます。歯科治療の大半は、虫歯と歯周病に対するものです。虫歯も歯周病同様、お口の中の細菌が原因で発症し、その細菌を口の中から完全に排除することはできないからです。

生涯にわたる歯の健康を目標としたときには、「治療」と「メインテナンス」は切り離すことのできない、「一体」のものとなります。

ここで、スウェーデンでの事実にご注目ください。
スウェーデンでは20年以上前から定期的な歯のメンテナンスを国民に義務付けてきた(最低3ヶ月に1度は歯のメンテナンスを受けるという義務)結果、80歳で平均25本の歯が残っているという驚くべき成果が現われています。(義歯を入れる人は人口のわずか1.7%です。)
オランダでも同様な方法で80歳で25本の自分の歯を残すことを達成しています。
一方、日本では痛くなったときに歯科医院に通うというスタイルの結果、80歳でわずか6本の歯が残っているのが現状です。

この違いをあなたはどのように感じましたでしょうか?

メインテナンスを日常的な習慣とするスウェーデンやオランダと、そうでない日本の現状を比較すると、その差は歴然とします。
定期的なメンテナンスの頻度が後々の自分の歯の健康につながってくることがわかると思います。一生、できるだけ自分の歯で過ごしたいとお考えであれば、定期的なメンテナンスをされることをお勧めします。

当医院では治療終了4ヶ月ごとの定期健診を推奨しています。通常行われる不定期での検診ですと、来院していただく度に小さな虫歯ができてしまう方が多いことや、少しづつですが歯ぐきの状態が悪くなってしまう方がいらっしゃいます。歯や歯ぐきの病気は自分では気が付かないうちに進行いたします。
治療しなくても良い状態で、悪くなりかけたお口の状態を少しでも健康に引き戻すためには4ヶ月おきの定期健診が必要であることが複数の研究者によって提唱されています。そこで当医院では最低4ヶ月に1回の定期健診をご提案しています。

歯の詰め物で金属アレルギー!

お口の中に銀歯や金属の詰め物が入っている人はいますか?
金属アレルギーというと、ピアスやネックレス、時計などの肌に触れる金属が原因でかゆみや炎症を起こすというイメージで一見、関係無いような気もしますが、お口の中の金属が原因で全身に症状が出る人もいるようです。

どのような原因でこのような事が起こるのでしょうか?

歯科金属は、多種金属が混ざった合金でできています。
金色の歯科金属を入れたとしても、その金は金だけの成分では無いのです。

お口の中の金属が溶け出して口の中では無く、手の平や顔に影響が出てくる金属アレルギーです。歯科の金属が原因では無くてもこの症状が出ることがありますが、皮膚科を受診してステロイド剤を処方されても症状が改善しない場合は、お口の中の金属が原因かもしれません。

歯科金属アレルギーの症状としては、手足の裏に膿をもった水疱状のものができ、ボロボロと皮がむけたり、関節痛を併発することもある掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)が最も多く、季節を問わず一年中症状が出ることがあります。
服などに触れている皮膚が炎症を起こす接触性皮膚炎発疹湿疹なども多い症状です。

症状は金属を入れてすぐ現れるのではなく、何年かの月日を経て金属がイオン化し、お口の中に少しずつ溶け出し、体内に取り込まれてこの反応が起こります。

治療から時間がたっていること、症状の現れる場所が限定されずに全身に及んでいること、他の病気(皮膚炎・関節痛)との鑑別が難しいことなどが原因で歯科金属アレルギーの発見をさらに難しくしています。

患者さんが自分で原因に気づくことはまれだとされています。
そんため潜在的に歯科金属アレルギーを持つ人は実際の所はもっと多いのではないかと考えられています。
金属アレルギーを誘発させると言われる金属イオンは、
ニッケルイオン
コバルトイオン
クロムイオン
パラジウムイオン
金イオン
水銀イオン
などで、これらはその作用が強いといわれています。
金属アレルギーかどうか判定する基準はパッチテストで判定されます。
皮膚に試薬をしみこませた検査用のばんそこうを皮膚に数日間貼り付けます。
数日後に剥がして皮膚が紅くなっていたり、膨らんだりしていたらアレルギー反応と判定されます。

治療としては、原因金属の除去となります。
金属以外の材料としてはプラスチックの材料のレジン充填やセラミックなどがあります。
それぞれの材料や性質、適応がありますので、金属を外して再治療をする場合は歯科医とよく相談して決めるようにしてください。

今では金属を使わない「ノンメタル」審美歯科治療を行う歯科医院も多く増えてきて、私たちの選択の幅が広まってきました。ご自身の症状や体調によってそのようなものを選択されるのもよろしいのではないのでしょうか?

 

金属アレルギーについて詳しくはこちらから

よく噛むこと?

皆さんは食事をするときよく噛んで食事をしていますか?
よく噛むことで、様々な効果が得られます。
今回はそちらを紹介していきます。

1【ひ】肥満を予防
よく噛むという動作で脳の満腹中枢が刺激されて、満腹感が得られます。
みなさんも体験したことがあるのではないでしょうか?
まだ体験したことがない方はぜひ、よく噛んで食事をしたときと、あまり噛まないで食事をしたときを比べてみてください。

2【み】味覚が改善される
よく噛むことで、食べ物の味がよくわかるようになります。
よく噛んで食べ物の味を楽しみながらゆっくり食事をするのもいいでしょう。
おいしく食事をするためにも、よく噛んで食事をするようにしましょう!

3【こ】言葉の発音がはっきりする
よく噛むことで、口のまわりの筋肉をよく使うことにつながります。
そのため、発音がきれいになったり、顔の表情が豊かになり、暗い顔も明るく見え、若々しく見えます。

4【の】脳が発達する
よく噛むことで脳細胞が活発になり、認知症などの予防などにも役立ちます。

5【は】歯の病気を予防する
よく噛むことで唾液がたくさん出て、自浄作用がよくなります。
また、唾液がでることで細菌をやっつけたり、虫歯を予防する効果があります。

6【が】ガンの予防が出来る
先ほど読んでいただいたようによく噛むことで唾液がたくさんでます。
唾液の中には発ガン物質を消す働きをもっている酵素が含まれていると言われ現在研究が進められています。
この酵素をうまくつかうためにも、一口30回以上噛んでみてください。

7【い】胃腸の働きの向上
よく噛むことで、唾液中の消化酵素がたくさん出て、胃腸の健康維持にも役立ちます。

8【ぜ】全身の体力の向上・全力投球
よく噛むことで健康な歯を作ることができます。
健康な歯がなければ何かあったときに力を出して踏ん張ることができません。
また、よく噛むことで全身に力が入り、運動機能向上の促進にもなります。
歯周病の歯、虫歯だらけの歯など不健康な歯では力もでてきません。

《噛む》ことの8つの効果。頭文字を並べると【ひみこのはがいぜ】(卑弥呼の歯がいーぜ)となります。
とっても覚えやすいですね!

この8つの効果を頭に入れて食事をする時は意識してよく噛んでみてはいかがでしょうか?
また、左右対称に噛むことも大切です。癖で右側だけ、左側だけで噛んではいませんか?
しっかり左右対称に噛んで顎も丈夫にしていきましょう。

咀嚼について→

定期健診はホントに必要なの?

定期健診はホントに必要なの?・・・の疑問にお答えします。
ご存知ですか?実は治療の後が歯周病予防に一番大切な時期なのです!!
歯周治療が終わっても、そこで気をゆるめてしまうと、歯周病が再発する危険があるのです。
80歳で20本の健康な歯を残すためには、3ヶ月~6ヶ月に1度は、定期的に健診と歯周治療を受けましょう。
80歳なんて、まだまだ・・・なんてお思いの方は要注意!以下に年齢別平均残存歯の表をいれておいたのでご参照ください。

◇ 年齢別残存歯早見表

40~44歳 → 27.5本
45~49歳 → 26.4本
50~54歳 → 24.8本
55~59歳 → 23.6本
60~64歳 → 21.3本
65~69歳 → 18.3本
70~74歳 → 15.2本
75~79歳 → 10.7本
80~84歳 →  8.9本
85歳~   →  6.0本

(成人は全部で28本、親知らずを入れると32本の歯があります。「平成17年 厚生労働省歯科疾患実態調査」)

◇ 歯周病の治療法

  1. ブラッシング指導(上手なブラッシング法の習得と実践)
  2. 歯のクリーニング(スケーリング)
    歯(主に、歯根)の表面に付いた歯垢・歯石が一緒になった細菌の巣と病巣部を取り除いて、なおかつ歯(歯根)の表面をツルツルにします。
    ツルツルになった歯の表面は細菌を付着しにくくなります。
  3. 歯周内科治療
    抗菌剤を使用してお口の中の歯周病菌を除菌する方法です。

自宅でできるホームホワイトニング

歯を白く美しくできるホワイトニング。ホワイトニングには2種類あります。
歯科医院に行って行うのは「オフィスホワイトニング」
自分自身の家でできるのは「ホームホワイトニング」です。

ラミネートベニアの話はこちらから。

手軽にできる「ホームホワイトニング」について紹介しましょう。
オフィスホワイトニングよりもホームホワイトニングは価格が安いですし、自宅で手軽に出来るので比較的、続けやすいです。
まず、ホームホワイトニングを始めるには歯科医院に行って、ホワイトニングが可能か検査してもらいます。虫歯や重度な歯周病がある場合は、そちらを治してからの治療になります。問題が無ければホワイトニングに使うマウスピースを作る為に、型を取ってマウスピースを作成します。マウスピースが完成すればホワイトニングを行うキットがもらえますので、自宅に持ち帰って頂いてホワイトニングがスタートとなります。
キットの中には、マウスピースと専用のジェルが入っています。
まずホームホワイトニングを始めるには、歯を清潔にする必要がありますので、ブラッシングを行います。次に自分の歯に合わせて作られたマウスピースに専用のジェルを流し込みます。ジェルは入れすぎてもいけませんので適切な量を使用しましょう。
適切な量とはジェルがマウスピースからはみ出さないくらいの量を使用します。1本の歯に対して米粒くらいの大きさです。ジェルがはみ出したまま放って置くと知覚過敏の原因になってしまいますから、マウスピースからジェルがはみ出してしまうようなら拭き取るなどしてください。
ジェルを入れたマウスピースを1~2時間ほど装着しておきます。この方法なら、歯科医院に行く時間が無い人にも向いているかも知れませんね。夜間に寝ている間にマウスピースを入れておく事も可能です。
朝起きたらマウスピースを外して、歯磨きをして、マウスピースについたジェルを洗い流します。基本的には毎日行うのですが、しみたり痛みがあるという人は1日に使用する時間を短くしたり、毎日使用するのでは無く1日置きにしたり、2~3日程期間を空けたり調整します。
すぐに歯が白くなるのは薬液の濃度が高いオフィスホワイトニングですが、ホームホワイトニングは低い濃度の薬液で毎日行うので白さの持続力があります。
結婚式や就職活動で急いで白くしたい人にはオフィスホワイトニング、じっくりと白く、持ちを長くさせたい人にはホームホワイトニングが適しているかもしれませんね。

この両方を併用して行うデュアルホワイトニングもあります。
ご自身の目的や歯科医院に通える頻度でこの3つから適切なものを選ぶと良いでしょう。

ホワイトニングの注意点としては、ホワイトニングを行った後1時間くらいは喫煙や飲食は控えて下さい。効果が薄れてしまいます。
そして24時間以内には色の濃い物を食べるのは避けて下さい。具体的には、カレーやラーメン、コーヒー、紅茶、コーラなどのジュース類などです。
せっかく白くなった歯が色の濃い物を口に入れる事で染まってしまいます。

ホームホワイトニングにかかる期間は、どのくらい白くなりたいのか、また個人の歯の状態により個人差がありますが、2週間から数か月くらいです。

手軽に歯を白くしたい人にはホームホワイトニングがお勧めです。
口元からおしゃれを始めてみてもいいかも知れませんね。

 

歯磨剤の効果!

みなさんはよく歯磨きの時に歯磨き粉(歯磨剤)を使用しますよね?
では歯磨き粉にはどういう効果があるのか知っていますか?
お口の中の汚れであるプラークなどは、うがいをしただけではなくなりません。
そのためみなさんブラッシングをするわけですが、ブラッシングの際、歯磨剤をつけて磨くとただブラッシングをする時よりもプラークの除去効果を高めることができます。

では他にはどのような効果があるのでしょうか?

1、虫歯を防ぐ
虫歯というものは、歯にくっついたプラーク中の細菌が作り出す酸によって歯が溶けてしまうことを言います。
虫歯を防ぐために大事なことは、プラークを除去することが一番です。
歯磨剤には、歯の耐酸性の向上をするフッ化物の入った歯磨剤や、プラークの除去を促すことはもちろん、プラークの付着防止などにも効果があります。
また、歯の再石灰化促進作用のあるものも売られています。

2、口臭を防ぐ
よく歯周病などの患者さんは口臭を自覚症状として訴えます。
口臭の9割は口の中の汚れや、歯周病、虫歯が原因となります。
そのため、プラークなどを取り除くことで口臭はある程度防ぐことができますし、歯磨剤の中にはミントなどの香料を配合したものも売られているので、口臭を防ぐのと同時に口の中を爽快にします。

3、プラークを除去する
先ほども書いたように、歯磨剤をブラッシングと併用することで、プラークの除去効果が高まり、再付着を防ぐ効果があります。
プラークは歯周病や虫歯の、口臭の原因となるだけでなく、歯石の沈着などにもつながります。
ブラッシング効果をあげるためにも歯磨剤を併用してみてはいかがでしょうか?

4、歯石を防ぐ
歯石とは、プラークが唾液中のカルシウムなどによって石灰化してできる硬い石のような物質です。
プラークが歯石になってしまってからでは、もうご自身のブラッシングで取り除くことはできません。
歯石を防ぐ為に大事なことは、歯磨剤を使用しプラークを除去することです。
最近では歯石の沈着を防ぐ歯磨剤も売られているのでぜひチェックしてみてください。

5、歯を白くする
ステインやタバコのヤニなどで汚れてしまった歯を白くすることができます。
ステイン用の歯磨剤も最近はでてきましたね。

6、歯肉炎、歯周病を防ぐ
歯肉炎は、磨き残しなどのプラークがあると歯茎が炎症を起こし、腫れたり、出血したりします。
歯周病は、プラークや歯石などが原因でどんどん進行していきます。
歯磨剤を使いブラッシングすることで、歯周病菌の増殖を抑制したり、炎症を抑制したり様々な薬効成分が含まれているので歯周病などを防ぐ効果があります。

このように、最近ではいろいろな用途にそった歯磨剤があります。
ぜひ、使ってみてはいかがでしょうか?

年齢とお口の関係は?

顔のしわ

皮膚は「折りたたまれてはもとに戻る」を繰り返しています。もとに戻る際に働くのが皮膚の弾力ですが、歳をとって弾力が低下すると、もとの状態に戻らなくなり、「折りたたまれた状態の持続」、すなわち「しわ」がつくられます。

顔の皮膚の下には、表情筋と称される多くの筋肉があります。この筋肉の働きで、顔にさまざまな表情がつくられます。このため、顔では「折りたたまれてはもとに戻る」が頻繁に行われており、しわが生じやすい状況にあります。

顔のしわは、表情筋の走行に直行する向きにつくられます。喜び・嫌悪・悲しみ・怒りなど、表情によって働く筋が決まっており、生ずるしわの状態も決まります。たとえば、喜びの表情の多い生活を営んできた人には、「喜びの表情」にしわがつくられます。「老人の顔はその人の一生を表す」というのは、このことをいいます。しわができないようにすることはできません。そうであるなら、福々しい顔つきにしわをつくりたいものです。

顔のたるみ

顔の皮膚の下には脂肪組織が拡がります。表情筋はその脂肪組織の中に埋もれています。重力により、顔の皮膚・脂肪組織は、つねに下方に引っ張られています。若い間は、表情筋の力が顔の皮膚・脂肪組織を支えていますが、歳をとって顔の筋力が弱まると、顔の皮膚のたるみが引き起こされます。目もとのたるみ、頬のたるみ、顎の下のたるみはこのようにして生じます。

顔で脂肪組織が一番多く、重たいのが頬です。したがって、頬のたるみが一番目立ちます。口もとでは、口の入り口(口裂)を囲んで放射状にしわがつくられます。これは、口裂を取り巻く口輪筋という表情筋によるものです。しかし、頬がたれると、これとは別のさまざまなしわが目だってきます。たとえば、小鼻の外から下に伸びる皮膚の溝(鼻唇溝)は、脂肪組織の少ない口もとと多い頬を境しますが、頬がたれることで、この溝が深まるとともに、口裂より下方に伸びるようになります。

表情筋を鍛えることで、顔のたるみを予防することができます。また、表情筋が咀嚼(食物をかみ砕くこと)や嚥下(食物を飲み込むこと)にも関わることからすれば、これらの機能の保持にも有効に働くと考えられます。

歯の喪失と顔つき

歯を失うと、歯を支えていた骨(歯槽骨)が吸収され、歯ぐきも消失してしまいます。

歯がある時には、口唇(くちびる)や頬は歯によって内側から支えられ、適度な緊張感と立体感がありましたが、歯を失って内側からの支えがなくなると、緊張感と立体感は消失します。

口もとの陥凹感は上顎で強く、下顎では、顎の下のへりの部はそれほど吸収されないため、前方に突出ぎみとなります。歯の喪失で上顎と下顎の間の距離が狭まり、顔の下半分の長さが短くなります。また、口唇の赤い部は巻き込まれて薄く見え、口を固く結んだかのような印象を与え、それに伴って、口もとにさまざまな溝が目立ってきます。いわゆる老人の顔つきです。

入れ歯を入れることで、歯の喪失に伴う老人の顔つきは、ある程度改善することができます。

また、入れ歯を入れることで、口もとや頬の筋は使われて鍛えられますから、頬のやるみのある程度の改善が期待できます。

しかし、もう一つの大きな老人性変化である顔のしわは、入れ歯でなくすことは容易ではありません。

口と老化

高齢者の舌には、若年者に見られるような張りや立体感はなく、全体的に緊張がなく、平べったい感じがし、大きくなったような印象がします。また、舌を構成する筋肉は、萎縮して動きが悪くなり、舌が口の天井(口蓋)を押す力も低下します。味覚の感覚器である味蕾が、舌の上面の特定部位に存在しますが、味蕾の数が減少し、味覚能力が低下します。

唾液(つば)の出る量は老人では減少しますが、唾液を作る能力にはゆとりがあり、問題はあまりでません。しかし、血圧を下げる薬などを飲んでいる場合には、薬の影響でさらに唾液が減少し、口腔の乾燥感を生ずる可能性があります。

美しい口もとを保つには

老いを止めることはできません。実年齢より若く美しく老いるためには、歯科領域に限っていうなら、「美しい口もとを保つことが必要」といえます。そのためには、「歯を失わない、失ったら補う」ということが基本です。「歯並びが美しい」に越したことはありません。「頬をたるませない」ことも重要で、そのためには、よくかみ、また顔の筋肉を積極的に鍛えることが必要となります。

インプラント…その後のお手入れ

むし歯や歯周病で不幸にも歯を失ってしまった方の治療として、従来では部分的な入れ歯や、ブリッジで欠損した歯を補ってきました。
しかし最近ではインプラントが登場してきて私達の選択の幅が広まりました。
ここ20年程で急激にインプラント治療をする人が増えてきています。
インプラントは、歯が無くなってしまった所に人工的な歯根を骨の内部に埋め込み、その後人工の歯を装着させる治療法です。
従来の部分的な入れ歯のように取りはずしは必要ないので、まるで自分の歯のように食べ物を食べる事ができ、違和感が無いなどの利点や、違いがあります。
また、ブリッジは固定性ですが、治療の為に健康な隣の歯を削る必要がありましたが、インプラントは直接、骨に埋め込むので健康な歯を犠牲にしないので最近はインプラントが人気を集めているのでしょう。

まるで自分の歯のように噛める事から、乳歯、永久歯に続く「第3の歯」とも呼ばれています。
もし失ってしまった歯の所にインプラントを入れてもそれで終わりではないのです。
お口の中はいつも歯と歯が噛み合う度に大きな力がかかりますし、前に様々な原因でむし歯や歯周病などで歯が抜けてしまった場所ですから、決して状態が良い場所とは言えません。このまま、今までと何も変わらないお口の中の環境では、せっかく入れたインプラントも一生使い続けられるとは限りません。
天然の歯と同様に、インプラントの周りの骨が無くなってしまうとインプラントがグラグラしてしまったり、最悪の場合は抜け落ちてしまうかもしれません。

そんな事にならない為に、歯科医院での定期的なメインテナンスが必要不可欠になります。歯科医院のメインテナンスよりさらに大切なのは、毎日の自分の歯磨きお手入れになります。3ヶ月や6ヶ月ごとの歯科医院でのプロによるチェックとメインテナンスを行えば、お口の中やインプラントの良い状態を保つ手助けになります。しかし、鍵を握るのは毎日のご自身のケアです。この2つをしっかり行えば、インプラントだけでなく他に残っている天然の歯も健康に保つ事ができるでしょう。
せっかく入れたインプラントですから健康に長く使いたいですよね。

では、インプラントの「その後のお手入れ」についてお話したいと思います。インプラントのお手入れと言っても難しい技術や、特別なものは一切必要ありません。
基本的には、インプラント部分もご自身の歯を磨くようにブラッシングをする事が一番に大切になります。インプラントは人工の歯なので接合している部分があります。
汚れが溜まりやすい部分ですので、そこの汚れを落とすように意識して磨くと良いでしょう。後は歯ブラシの動かし方についてです。力いっぱいに歯ブラシを上下に動かす方法で磨くのは避けて下さい。いくらインプラントを入れていつものように噛めるからといっても、歯ぐきと密着する力は天然の歯よりも劣ってしまうのでこのような磨き方をしてしまうと歯ぐきが腫れる原因となります。
歯磨き剤は、研磨材が入っていないタイプの物を使用してください。研磨剤が入っているとインプラントを傷つけてしまう可能性があります。

歯ブラシの他にも、使用して頂きたいのが「歯間ブラシ」です。
しかし誤った使い方や誤ったサイズで使用してしまうと、歯ぐきを傷つけてしまったり、歯ぐきが下がってしまったりと、見た目や状態が悪化する可能性があります。
上手く使用すれば効果的に歯の間の汚れを落とす事ができるので、歯科医や歯科衛生士の適切な指導をしてもらってから普段の歯磨きにプラスすると良いでしょう。
インプラント用の柔らかい歯間ブラシがありますのでそちらを使用してください。

最後にフッ素入りのジェルを歯全体に塗って歯質を強化すれば、さらに良いでしょう。

インプラントを入れたらそれで終わりでは無く、毎日のお手入れ方法を少し工夫してみて下さい。そこに定期的なメインテナンスも合わせて行っていく事でインプラントを長く健康な状態で使って頂く事ができます。
ぜひ、今日から始めてみてください。

 

インプラントについて詳しくはこちら

知ってる?ラミネートベニア!!

みなさんが歯を白くしたい!と思ったとき一番に思いつくのが“ホワイトニング”ではないでしょうか?
しかし、ホワイトニングには知覚過敏などのいくつかの欠点があります。
では、ホワイトニング以外に歯を白くする方法はないのでしょうか?
ホワイトニング以外の方法で歯を白くする方法で挙げられるのが“ラミネートベニア”です。

ラミネートベニアとは?
ラミネートベニアはホワイトニングのように薬を使って歯を白くするのではなく、自分の歯の表面を薄く削り取り、その削った部分に歯の色をしたネイルチップのようなものを貼り付けます。
材料は一般的にはポーセレンなどが使用されます。

ラミネートベニアのメリット
ラミネートベニアは、ホワイトニングより歯を白くすることができ、生まれつき濃い色がついてしまった歯でも短期間で白くすることが出来ます。
また、色を白くするだけでなく、歯の形なども短期間で修正することができます。
例えば、すきっ歯なども修正することが可能です。
また、歯の色が元に戻ることがなく、歯を削る量が少ないので、痛みはなく基本的に麻酔は使いません。

ラミネートベニアのデメリット
ネイルチップを自由に取り外しできますが、ラミネートベニアは、一度取り付けると、取り外しも出来ませんし、元には戻せません。
また、ラミネートベニアは日常生活を普通に生活する分には強度は十分にありますが、ポーセレン(セラミック)の歯を貼り付けるので、噛み合わせが悪かったり、歯ぎしりの癖がある場合などは貼り付けた部分が欠けたり、割れたりする可能性があります。
ラミネートベニアを貼り付ける本数は、歯の全てに行うのではなく、気になる部分に貼り付けることも出来ますが、1本だけだと他の歯と色を合わせるのが難しいので、数本にわたって貼り付けることもあります。

費用について
ラミネートベニアは、ホワイトニングに比べて費用が高いというのもデメリットの一つです。
普通ホワイトニングですとだいたい5万円程度で治療できますが、ラミネートベニアの場合、病院によって違いますが、5万円~15万円程度かかります。
もちろん保険外の治療なので自費になります。

ラミネートベニアは、デメリットとして費用が高いと言うことが挙げられますが、ホワイトニングよりも歯を白くすることができますし、少しの歯並びの修正であれば可能です。そのため短期間で、白くきれいな歯並びを手に入れることが出来ます。

入れ歯で食べると美味しくないんですか?

入れ歯を入れると味が変わると言う人も多いのです。
味覚は舌だけで感じる物ではなく、上顎の粘膜や鼻も重要な役割をしています。従って上顎の大部分を覆ってしまうような入れ歯では特にそれを感じやすいと言えます。

また臭いを感じなくなる・唾液の出が落ちる・本来の歯に対して咀嚼効率が悪くなり食べ物を小さく切ったりして食感が変わってしまう・歯が無くなることによって本来歯で感じていた食感が失われる・入れ歯の大きさによって舌や筋肉の動きの調和がとれずに、食べた気がしない事なども大きな原因になります。

しかし人間には「慣れ」と言う大きな特徴もあり、入れ歯の調整や練習によってほとんど回復してしまう事も確かなのです。
最近ではインプラントと呼ばれる入れ歯に変わる処置法の普及や、入れ歯自体の材質の進歩により、かなり改善されてはきています。

舌も磨く習慣をつけましょう。

みなさんは自分の舌をよく観察した事がありますか?
あまり見たことが無いという人は少し鏡で舌を出して観察して見て下さい。どんな状態でしたか?
舌の表面に白い汚れのようなものがついていたり黄色っぽく汚れていませんか?
それは舌苔という舌についた汚れです。

普段は毎日、歯を磨く人はたくさんいますが、舌もキチンとケアする習慣をつけている人は毎日、歯を磨く人全員では無いかも知れません。
歯に汚れがつくように、同じように舌にも汚れが付きます。このまま放って置くと口臭の原因になります。

どうして舌に汚れ、「舌苔」が付いてしまうのでしょうか?
舌には細かい乳頭というヒダで覆われています。このヒダは糸状乳頭といいます。それを広げるとなんと畳8畳分にも相当します。そこに汚れがたっぷりと詰まってしまえば当然、口臭が発生する原因になりますね。

舌苔の成分は、粘膜から脱落した上皮細胞です。後は、細菌や食べかす、血球などがあります。脱落した上皮細胞に細菌が多数付着しています。舌苔の中に存在する嫌気性菌と合わさって口臭を作る原因となります。
実は、口臭の原因の約60%は「舌苔」が原因だと言われています。
長年、原因不明の口臭に悩まされていた人も、もしかしたらこの「舌苔」が原因かも知れません。

どのような時に「舌苔」が付きやすいのでしょうか?
体調が悪く、免疫力が下がってしまった時。
不規則な生活をしているとき。
アルコールや甘味飲料の飲みすぎてしまった時。
刺激物を摂取した時。
口呼吸や緊張の持続などで唾液の量が少ない時。
などに付きやすくなってしまいます。
 
あとは見落としてしまいがちなものとしては、お薬の副作用や加齢につれて「ドライマウス」になってしまった人です。唾液の量が減ってしまう為に雑菌が繁殖してしまうので「舌苔」が付きやすくなってしまいます。
しかし、舌苔をすべて取り除けば良い訳ではありません。
舌の正常な状態というのは、うっすらと白い舌苔がついているものなのです。
まったく舌苔がついていないピンク色の舌は、正常で綺麗に見えますがこれは異常な状態といえます。舌がピリピリとして熱を持っているような感じになり、口臭も発生します。
また、舌に黄色っぽい舌苔がついている人は、口腔内に虫歯、歯周病などの感染症やその他の感染症にかかっている可能性もあります。
他には黄色いレモンのカキ氷などの着色物を食べた時にも舌は黄色くなります。

いずれにしても、舌の状態を確認する事で健康のバロメーターになります。すべての舌苔を除去する必要はなく、ある程度の除去は必要とされています。

ここでは舌専用のブラシを使った方法を紹介します。
掃除回数としては、舌を傷つけないために1日1回で大丈夫です。
専用ブラシでかき出す力は優しく10回程度で。
普通の歯ブラシで行ってしまうと、数回でも傷ついてしまいます。

これらを習慣にすれば口臭の予防にもなりますし、余計な汚れが取れるので舌が敏感になるので、薄い味付けの物でもしっかりと感じ取れるようになります。減塩効果にも繋がります。

最近では、舌専用のブラシの他に、舌苔に着目したデンタルリンスや、「グリコ」から専用のタブレットも発売されています。タブレットはグリーンアップルの味がついていたりと、舐めるだけで良いという手軽さから普段の生活に取り入れやすい物もあります。
ご自身にあった物を探して見てはいかがでしょうか?

グリコのタブレット「BREO」について詳しくはこちら

歯並びが悪い原因は?

歯並びがよくないと見かけもよくないですし、気になりますよね 。
その他にも、歯並びが悪いと発音が悪くなってしまったり、歯の大切な機能である “噛む”という機能を充分 に活用することができません。
また、歯並びが悪い為に、ブラッシングをしても、歯ブラシの毛先が行き届かなかったり して、磨き残しができて虫歯、歯肉炎、歯周病になりやすくなってしまいます。
では、歯並びが悪くなる原因は何なのでしょうか?

1、遺伝的なもの
顔や、体型が親に似てくるのと同様で、顎の大きさや形も遺伝によってある程 度決まってきます。

2、いろいろな癖
指しゃぶり、頬づえをつくなど悪い習慣を続けることで、顎の骨が変形してし まい、歯並びが悪くなることがあります。
その他にも、舌を突き出す癖や、噛み癖なども原因となります。
また、口呼吸も歯並びを悪くしたり、顔の発育に影響をあたえられていると考えられてい ます。

3、虫歯
永久歯が生えてくる時、乳歯は永久歯の生えてくる場所を確保する役割があり ます。
そのため、乳歯が虫歯になってしまっていて、そのまま放置して形が変わってしまったり 、抜歯をした場所をそのままにしておくと、永久歯が正しい位置に生えずに、歯並びや噛 み合わせが悪くなることがあります。
また、大人になってからの抜歯も同様で、抜いたまま隙間を放置してしまうと、歯が動い たり、親知らずに押されたりして、歯並びやかみ合わせが悪くなることがあります。

4、食べ方
子供時代に、よく噛まなくても食べられる軟らかい食べ物ばかり食べていると 、顎の成長期に顎が十分に発達できないので、小さくなってしまいます。
その結果、小さい顎に大きな歯が生えてくるわけですから、歯がきれいに並ぶ為の十分な スペースが確保できず、前後にデコボコとした歯並びになってしまいます。

5、口呼吸
鼻炎や扁桃腺肥大などの症状があり口呼吸を続けると、唇で歯を押さえる力が 弱くなり、口の筋肉のバランスが崩れて出っ歯や受け口の原因となったり、位置が異なっ たりします。

このように、歯並びが悪くなる原因には、いろいろありますが、癖や食べ方は気をつけれ ば改善できますし、虫歯もきちんとしたブラッシングができれば予防できます。
自分でできることから少しずつ始めていきましょう!

詳しく はこちら

歯が溶けるとは?

歯が溶ける」と言われると虫歯では?と思う人がたくさんいるかも知れません。
他にも歯が溶ける事があります。それが「酸蝕歯」です。
酸性の食べ物や飲み物を摂取する事で「歯が溶けてしまう。」事を言います。歯は酸に触れると溶けてしまいます。酸性の物を食べた後にそのまま放っておいてしまったり、食後のケアをしっかりとしないとその危険性は高まります。
ケアが適切に行われていない状態で歯磨きをしてしまうと、その力で歯の表面にあるエナメル質が削り取られてしまいます。これを続けてしまうと、時が経つにつれて歯が薄くなってしまいます。

ではどのような食材に酸が多く含まれているのでしょうか?
このような視点で食材を見る事はあまり無いかもしれませんね。
例えば、健康の為に最近よく飲まれるお酢。
フルーツ、特にレモンやグレープフルーツなどに多く含まれています。
他にも赤ワインや夏場によく飲むことがあるスポーツ飲料。コーラにも多く含まれています。見落としがちなのはビタミン剤や、サラダにかけるドレッシングにも入っていたりと様々です。
酸にも色々あり、クエン酸アスコルビン酸の消費が多ければ多いほど侵食されるとの事です。

他の原因としては職業的なものもあります。メッキやガラス細工の工場で酸性ガスを暴露、吸収する作業がある人。
胃酸による逆流性食道炎、拒食症なども原因になります。

酸蝕歯になると、どうなってしまうのでしょうか?
・象牙質が露出してくるので知覚過敏症の原因になる。
・歯の色が茶色っぽくなったり、黄色くなる。光にあてると白濁している。
・歯の形が変わって、詰め物や金属が取れる原因に。
・歯がひび割れたり、丸い形に変わってしまう。小さなくぼみができる。

普段の生活で知らず知らずのうちに酸蝕歯の原因を作っているかも知れません。
いくつか項目を挙げてみます。
・部活中など、習慣的に、スポーツドリンクを飲む。
・毎日、健康の為にビタミン剤や、ビタミンドリンク、黒酢を飲んでいる。
・泣き止むからといって、赤ちゃんに寝る前にダラダラと哺乳瓶でジュースを与える。
・おつまみをまったく食べず赤ワイン、柑橘系酎ハイを時間をかけて毎日飲む。

上げてみると当てはまるものが意外と多くあるかも知れません。
では、どのように予防して行けば良いのでしょうか?
過度な量の酸を摂取しているのであれば、まず控える事です。
他には、酸性の飲み物を飲んだら、水で口をゆすいだり、お茶や水を飲んだりすると良いです。そうする事で酸性が中和されます。
またすぐに、歯磨きをするのでは無く30分程の時間を置きましょう。
すぐに磨いてしまうと、酸で弱くなった歯がブラッシングの圧で削られてしまいます。
歯の再石灰化が進むのを待ち、中和されてから行うのが良いでしょう。
後は、毎日のブラッシング時に使う歯磨き剤をフッ素が入っているものを使用すると、歯の質を強化することができます。もちろん柔らかめの歯ブラシで優しく磨くのを忘れずに。

後は、定期的に歯医者さんに行って、プロの目線でチェックしてもらいましょう。気付かないうちに酸蝕歯になっていたり、歯周病になっていたり、進行していたりと自分では分からない事が分かってきます。

無理に酸性の物をまったく食べないようにするのは難しいですし、以上のポイントを守って、ご自身で色々と改善して、食べる工夫をしてみて下さい。

歯石ってなんでできるの?

よく、歯医者さんなどで「歯石がついていますね」とか聞く事がありますよね?
また、皆さん自身でも下の前歯の裏側などをベロで触ってみるとザラザラした感じがすることがあるのではないでしょうか?
それが、歯石です。
簡単に言うと歯石はプラーク(歯垢)や汚れが固まってできた石のようなものなのです。
そのため歯石は、プラークとは違い、歯ブラシなどで、自分で落とすことはできません。

歯石ができてしまうと、歯医者さんに行って、機械的に除去しなければ取り除くことができません。
しかし、歯石を放って置くと、表面がザラザラしている歯石の上に、プラークが付着し虫歯や歯周病のリスクが高くなります。
では、歯石について詳しく説明していきましょう。

1)歯石とは?

歯石はお口の中に残った食べ物のかすや細菌の死骸と唾液などの中のカルシウムの塊がこびりついたものです。
歯石は、プラークに比べると、石のように硬く歯にくっついているので、簡単には取り除くことができません。
また、プラークとは違って石灰化した沈着物なので、ご自身の歯磨きで取り除くことはできません。

自分の目で見える、歯茎より上(歯と歯茎の境目)に出来た歯石を、歯肉縁上歯石。
歯肉ポケットの中にできた見えない歯石を、歯肉縁下歯石といいます。
歯肉縁下歯石の中には多くの細菌が住んでいるため、付着すると歯肉の炎症がひどくなり、通常くっついている歯と歯肉が剥がれて更に縁下歯石が付着しやすくなり、歯周ポケットが形成されます。
歯肉縁下歯石がたまると、プラークが付着しやすくなるので更に縁下歯石が溜まり歯周ポケットもどんどん深くなります。
歯周ポケットの中のたくさんの細菌は、歯槽骨を溶かして歯周病になったり、歯肉に炎症を起こしたりします。

2)歯石はどこにできるの?

歯肉縁上歯石はプラークと唾液の中に含まれるカルシウムなどが結合したものなので唾液の出る穴(唾液線)のある
上の奥歯(上顎臼歯部)の頬側と下の前歯(下顎前歯部)舌側の部分です。
縁上歯石やプラークが付着した状態が続くと、その中の多くの細菌によって歯肉が炎症を起こしてしまい、プラークが歯と歯肉の隙間に入り込み歯肉縁下歯石が付着します。

3)歯石はどうやってとるの?
先ほど説明したように、一度ついてしまった歯石はプラークと違い自分自身の手で取り除くことはできません。
歯肉縁上歯石は、歯科医院で歯石取り(スケーリング)をすると簡単に除去することができます。
歯肉縁下歯石は、通常のスケーリングでは除去するのは難しい為、歯周ポケット内の歯石を取り除く治療であるスケーリング・ルートプレーニング(SRP)が必要です。

このように、歯石は一度付いてしまうと、自分では取り除けません。
歯石をつくらないためにも、お口の中をよく観察し、自分にあった歯ブラシで全体的に細かく歯磨きするようにしましょう。
歯と歯の間も糸ようじなど、歯間ブラシなどの補助用具を使い丁寧に磨きましょう。
また、定期的に歯医者さんに行きメインテナンスをするようにしましょう。
歯石について詳しくはこちら
http://www.dentalmenu.com/karte03/dental-plaque/

高齢者に対する食育

食べる機能」は生きていく上でかかせません。

口は食べ物が入っていく最初の入り口になります。栄養の摂取だけが目的ではなく、美味しい物をみんなで食べれば表情が豊かになり心身が活発になります。そして毎日の生活が充実してくると言えます。
ただ単に栄養を取れば良いという分けではありません。口からしっかり食べる事で、唾液も出て口の中もきれいになります。そうする事でいっそう食べ物の味を楽しむ事ができます。
硬いものが食べれればお漬物の食感なども感じられます。

年を取れば取る程、生活の中での食の比重は大きく大切なものになってきます。食べる機能を残すことは大変重要といえます。

今は高齢で歯が無い人には、インプラント、義歯など様々な治療法があり咀嚼機能を取り戻す事ができます。しかし人によっては、口が動きずらい、麻痺がある人、認知症の方はスムーズな咀嚼機能を取り戻すのが難しい場合があります。なのでその方々に合った食べ物を選択して摂取していく必要があります。

例えば硬い物が食べにくい人には、軟かい物を中心とした食事に変更します。無理して硬い物に時間をかけて食べるのではなく、軟かいものを美味しく適切な時間で食べる事ができます。

例えば、硬い物を2時間かけて毎日食べていた人がいたとします。しかし、その人に合った食事を食べる事で、30分ですべて美味しく食べられたとすれば栄養もしっかり取れますし残りの1時間30分を有意義に過ごせます。
食べることが難しい人には食物の形を変えて小さくしたり、食物の大きさを工夫します。一口大や、みじん切りなどその人に合わせる事が必要です。とろみなどをつける事により誤嚥防止になります。介護現場では、一回にスプーンで食べさせる量を調整する事で格段に食べやすくなります。個人に合わせての食事が大切になります。

他には調理の工夫によっても美味しく食べることができます。
高齢者の施設の食事の調理に、真空低温調理器を使う施設が増えています。この機械を使うことにより、食材を軟らかく調理できます。温度を上げずに調理できるのでビタミンなどの栄養を壊さず、美味しく軟らかく調理できるのが特徴です。素材そのものの味をしっかり味わえるので調味料が少量で済みます。

包装内の水分が一定になり均等に加熱される。
無酸素調理法である為に味が均等。
乾燥による味の変化や褐変がない。
手に触れないので衛生的である。
など高齢者の方々が美味しく食事できる調理法といえます。

高齢者の方がどんな物を食べれるか、口腔内状態がどのような状態なのか身近な人が確認して把握することが大切です。どのくらいの硬さのものなら食べられるのか知ることも重要になってきます。適切な食事を適切な環境で食べれるように協力していきましょう。

高齢者の方の食生活を第一に充実できる環境作りから始めましょう。

 

食育について詳しくはこちらから。

 

フッ素の重要性

フッ素ってご存知の方が多くいらっしゃると思います。
では、そのフッ素とはどういう効果があるか知っていますか?

みなさんはよく、テレビや広告などで“フッ素でむし歯を予防しよう”という言葉をよく耳にすると思います。
では、フッ素にはどのような効果があるかお話したいと思います。

1つ目は、フッ素が歯に取り込まれて、むし歯菌が出す酸に対して強い歯をつくります。
これを『フルオロアパタイト』といい、歯や骨を構成する無機質の主成分であるハイドロキシアパタイトにフッ素が取り込まれると作られます。
フルオロアパタイトは、ハイドロキシアパタイトより、むし歯菌などの細菌が出す酸に対して溶かされにくい性質をもっているので、
フルオロアパタイトが形成されるとむし歯になりにくくなります。
つまり、フッ素が歯に取り込まれるとフルオロアパタイトができるというわけです。
フッ素予防のメカニズムの詳しい情報はこちらから

2つ目は、歯の再石灰化を促進する作用があります。
歯の表面が、むし歯菌などの細菌が出す酸で溶かされても、初期虫歯であれば再石灰化が起こり修復が行われ、むし歯になるのを防ぐことができます。
再石灰化とは、溶かされた歯の表面(エナメル質)をただ元に戻すだけでなく、結晶の構造を変化させ、溶かされる前の歯よりも強くて硬い歯の表面(エナメル質)
に変化させることです。

3つ目は、むし歯菌などの細菌が酸をつくるのを抑制します。
フッ素は、むし歯菌の持つ酵素の働きを抑制して、歯を溶かす酸を作らないようにします。
また、むし歯菌の栄養分となる糖の取り込みを邪魔して、菌が歯にくっつきやすくするための“ネバネバ”な物質を作るのを抑えます。

また、フッ素にもいろいろな種類があります。

1.フッ素洗口
2.フッ素塗布
3.フッ素スプレー
4.フッ素ジェル

フッ素洗口は、みなさんの知っての通り、お口の中にフッ素洗口剤をふくみ、数分間ぶくぶくうがいをしていただくやり方です。

フッ素塗布は、歯科医院まで足を運んでいただき、歯科医師や歯科衛生士が高濃度のフッ素を歯に塗布する方法です。
この方法は、歯科医院で年3~4回塗布を行うと十分な効果が得られます。
フッ素を塗ってもらうためだけに、歯科医院に行くのは大変と思われる方も多いと思います。
しかし、ほとんどの場合、フッ素を塗布することと並行して定期的なメインテナンスや、むし歯などの治療も行われます。

フッ素スプレーは、まだぶくぶくうがいの出来ない小児(1~3歳)に特に有効です。使用方法としては、普通に歯を磨いていただき、その後スプレーを歯ブラシに付け、もう一度磨きます。これを一日数回行います。

フッ素ジェルは、いろいろな味のものが発売されています。そのため、歯磨きの嫌いな子供に興味をもたせるのに使うと効果的です。
フッ素ジェルもスプレーと同様、歯磨きを行ったあと、ジェルをつけた歯磨きで磨いていただく方法です。

このようにフッ素にはむし歯を予防する効果がたくさんあります。
みなさんもぜひ、フッ素でむし歯予防をしてみてはいかがですか?

噛み合わせと運動機能

歯の噛み合わせは運動機能と関係があります。

噛み合わせが悪いと肩こり、頭痛の原因になります。

噛み合わせが安定すると姿勢の安定にもつながります。

姿勢安定は様々な動きをするアスリートにも大切になってきます。今、噛み合わせを治して正しい口腔状態にしていくアスリートが増えているそうです。 
噛み合わせが悪いと、身体がゆがみ、骨盤もゆがみ、やがては左右の足の長さまで違ってきます。つまり噛み合わせが悪いと筋肉バランス、顔バランス→全身のバランス、そして様々な病気の原因へと繋がる悪循環になっていきます。
噛み合わせが悪い事を不正咬合と言います。

不正咬合とは何か調べてみましょう。wikipedia(ウィキペディア)によると不正咬合とは、顎顔面、歯などが、何らかの原因でその形態と発育と機能に異常をきたし、その結果正常な咬合機能を営み得ない咬合状態の総称である。

と書いてあります。

マラソンランナーの土佐礼子さん(愛媛県松山市、旧北上市出身 三井住友海上火災保険、旧三井海上保険所属 2009年の東京マラソン出走を区切りに、選手活動を一旦退く事を発表。2010年4月、1児に母となる。)は、矯正治療をして記録を伸ばしたことで知られています。練習後のひざ痛、疲労骨折が少なくなったそうです。正しく噛むことにより、身体の負担が減り安定した記録が出やすくなったと言えます。

そして「噛む」という事で、運動機能だけでなく学習能力もUPすることが最近の研究で分かってきました。
ある幼稚園で、園児を2つの組に分けて、1つの組は今まで通りのメニューの給食を食べ続け、もう1つの組の園児には、硬い食べ物の多くあるメニューを給食として出しました。

そして半年後に「噛む力」と「記憶力」のテストを実施した結果、硬い給食組の園児の方が噛む力が強くなっていました。記憶力テストの成績もそちらの方が良かったと報告されました。噛み合わせが運動機能と関係しているだけでなく、学習能力までにも関係あるといえます。
噛む子は良く育つという事ですね。しかし、いくら噛んでも噛み合わせが悪かったら逆効果になります。他の部分に負担をかけてしまいます。
正しい噛み合わせで噛むという事が重要になってきます。

人間の頭の重さは約5㎏にもなります。
それをいつも支えている首や顎の関節がずれてしまうということは大変なことですね。
最近は趣味でもスポーツをする方も多くなってきています。ついつい見落としてしまう顎の関節、噛み合わせの事、アスリートの方々だけでなくみなさんで注意して正しい噛み合わせにすることにより、全身の運動機能、学習能力を高め健康な毎日を送っていきましょう。

最近調子が悪い方も、噛み合わせに注目してまず、噛み合わせを治す事から始めてみてはいかがでしょう?
そうする事であなたの体が本来の力を発揮することができるかも知れません。

かかりつけ歯科医院を持ちましょう

数多くの患者さんと接していく中で、心配なことは、かかりつけ歯科医院を持たず診療先をすぐに変えてしまう人が多いということです。

むし歯や歯周病などの歯科疾患は、予防が可能な病気です。
かかりつけ歯科医院」というのは、歯周病やむし歯の治療をはじめとする歯科治療、むし歯や歯周病にならないよう予防するために通っていただく歯科医院のことをいいます。

※かかりつけ医とは外来では他の診療科の医師が患者に接することは少ないが、診察を受ける曜日や時間によって同じ診療科の中で別の医師が患者に接することになる。この場合でも担当医として一人の医師が明確に記載されている。
Wikipediaより

歯科治療というものは、長年の経過や、ケアの習慣、その人の体質などを総合して診療することが必要だと思います。
例えば、その人のむし歯のなり方、歯石のつきやすさ、たまり方、その人の癖などには個人差があり、長期的に患者さんをみていくことでその方の傾向も見えてきます。「かかりつけ」とはかかりつけの医者、特定の医者にいつも決まって治療や診療を受けることです。現在、特定の医者とは地域別、患別に特定されます。

一人の患者に複数の主治医が存在することになります。その中で、プライマリ・ケアを断続的に提供できるのがかかりつけの歯科医院です。
歯の健康を本当に考えるのであれば、今の自分の口の中の状態、特徴、傾向を知ってもらうことが大切だと思います。最近の患者さんの中には、顎が小さく、歯並びが悪かったり、親知らずが半埋伏している方が多く見られます。自分の磨きにくいところはどこなのか、どう歯ブラシをあてたら汚れが落ちるのかなど、プロの手でしっかり指導していまなければなりません。
また、今までの病歴や体質、家族がかかったことのある病気など、今までの自分の体のことを知っているお医者さんがいるというのはとても心強いです。
特に、小さい子供やお年寄りなどのいる家庭では、何かあった時に相談できるかかりつけ歯科医院があると安心です。お口のことを気軽に相談できるかかりつけ歯科医院がいれば、歯周病などの深刻な病気も早期に予防できるでしょう。また、適切なアドバイスがもらえ、早いうちの回復が望めるでしょう。

みなさんは、髪のことは美容院へ、お肌のことはエステへ相談しに行きますよね?このように自分の口のことにも興味をもっていただき、ぜひかかりつけ歯科医院というものを活用して欲しいです。
かかりつけ歯科医院をもつと、お口の健康が保たれます。
また、むし歯や歯周病になったときも、患者さんが歯科医院に慣れていることや、歯科医師が患者さんの情報を得ていることで、患者さんにとって良い治療がスムーズに行えます。

かかりつけ歯科医院の存在は、美しさや若々しさを目指す近道となります。

歯科用レーザーと大口径光ファイバーの開発

歯科で使われているエルビウムレーザーって、何となく格好いいネーミングですね。

前回も書きましたように、歯科用レーザーには色々な種類がありますが、その中でもEr・YAGレーザーというネーミング、けっこう男の子の患者さんに人気です。何故かという、「エルビウム」という部分が、小さなお子様には「エルビーム」というように聞こえるのでしょうか、「かっこイイだろう??」と話すと、「ウン」とうなずいて目を輝かせます。

ではこのEr・YAGレーザーって、いったいどんなものなのでしょうか。いつものように、早速Googleで「歯周治療 Er YAG レーザー」で検索してみましょう。そうしますと、出ました、出ました、「歯周治療・インプラント治療におけるEr:YAGレーザーの使い方」という専門書がアマゾンでも買えるようです。書かれているのは歯科界でも有名な石川烈先生を始めとする先生方です。

アマゾンで著者略歴を見てみると、和泉雄一先生、東京医科歯科大学歯学部附属病院病院長補佐、青木章先生、東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科助教(歯周病学分野)、そしてご存知の石川烈先生、元東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科歯周病学分野教授。現東京医科歯科大学名誉教授らの蒼々たるメンバーです。

目次には、歯周治療やインプラント治療におけるレーザーの応用とか、ErYAGレーザーの特性、レーザー照射と生体組織の反応―他のレーザーとの比較などの専門的な内容が並んでいますが、その中でも「伝送系とコンタクトチップ」という項目が目を引きました。
今度は「Er YAG レーザー 伝送系で検索」してみたところ、歯科医師であれば、誰でも知っている最大手メーカーのモリタから出されている「アーウィン」という有名な歯科用レーザー治療機械の開発を担当したフジクラという会社の記事がヒットしました。

旧社名は藤倉電線株式会社という有名な会社で、同社ホームページによれば、

1970年から光ファイバーの取り組みを進めていた当社は、1975年より電電公社と共同開発を行い、1976年にはMCVD法により極低損失ファイバーを開発し、長波長側に超低損失領域があることを発見した。また、1980年には極低OHファイバーを国産自主技術であるVAD法により世界に先駆け開発をし、その広い低損失領域の実現により、現在の波長多重通信へとつながった。
(同社ホームページより引用) http://www.fujikura.co.jp/history/1973.html

とのことだ。光ファイバーの先端企業と歯科界最大手企業のコラボならば、「アーウィン」が売れるのもうなずけますね。当初は800万円だったように記憶しています。
紙面の都合で、伝送系のお話しはまた次の機会にいたしますね。

口内炎とレーザー治療について考える

口内炎のやっかいな痛みを早期に解消する特効薬、歯科用レーザー治療を知りたい方へ

ボールペンのような形をした器具の先端から緑色の「炭酸ガスレーザー」と呼ばれるレーザー光線と冷却用のエアースプレーを出しながら、歯肉炎やむし歯の治療を行う歯科用レーザー照射器をご存知ですか。実際に治療を受けたことのある方は、恐らく防護用の黄色やオレンジ色のサングラスをつけて治療を受けたのではないでしょうか。

歯科用レーザー治療は、あのイヤなキーンという歯を削るときの不快な音や痛みがほとんどないことや、ある種のレーザーでは虫歯の予防効果があることなどから、大学や総合病院の口腔外科だけでなく、近年では一般歯科治療でも急速に導入が進んでいます。

歯科用レーザーの作用には、消炎、鎮痛、殺菌、消毒、止血などの作用があり、レーザーの種類によっては麻酔効果もあると言われています。

レーザーの種類はかなり多いのですが、その中でも「Nd・YAGレーザー」(ネオジウムヤグレーザー)や「Er・YAGレーザー」(エルビウムヤグレーザー)という歯の硬い部分に対しても効果のあるものと、歯肉などの軟組織に有効な「炭酸ガスレーザー」の3種類が代表的です。

それぞれ一長一短がありますが、これほど急速に歯科の分野に普及してきた理由は、レーザー光を患部に的確に照射することが可能となる光ファイバーの加工技術によるところが大きいと言われています。

どういうことかと言いますと、総合病院や一般医科の臨床現場(治療をおこなう場所や設備)は、比較的小規模であると同時に、口腔内という狭くて暗いエリアのかなり細かな患部に光線を照射しなくてはならないという特殊性があり、レーザー装置本体の可搬性、照射器具の先端部分のフレキシビリティなど、歯科用レーザーとしての要件はかなり厳しく、10年ほど前であれば1装置1000万円もするような高価な装置でした。

それが今では、生産技術の進歩と量産効果により、「夢の歯科治療機械」から「歯科治療になくてはならない装置」、そして「あたりまえの道具」へと普及が進み、先進的にレーザー治療に取り組んでいる歯科医院では、ユニット(治療台)1台ずつレーザー照射器が配置してあるケースも珍しくないようになりました。また最近ではキーンという音のする「タービン」を使わない、あるいは「装備していない」医院も現れてきました。

そして口内炎治療の場合、レーザー照射の鎮痛効果で、麻酔を使わずに歯肉や粘膜の細胞組織を活性化するため治りが早く、従来の口内炎治療のようにステロイド系の軟膏を塗る必要はほとんどなくなりました。

安全性が高く、歯科医師の技術差もあまりないとされる炭酸ガスレーザーの普及が最も期待されるところですが、残念ながらレーザー治療は健康保険が適用されません。炭酸ガスレーザー装置は1台300~400万円と高価なため、健康保険が摘要されない自費診療では医院によって料金が異なりますので、口内炎などのレーザー治療を希望する場合は事前によく治療費を確認してくださいね。

歯周病のレーザー治療について

今回は歯周病の治療方法の中でも特殊な治療方法である、歯周レーザー治療について考えてみます。

先月の『歯周病治療と健康保険』のコーナーで、歯周治療はレーザー治療や特殊な薬を用いた治療を除いて、全て保険適応内となりますと書きましたが、その保険適用外のレーザー治療というのは、ここ数年、一部の先生方の間で急速に普及してきました。

いつものようにGoogleで「歯周病 レーザー治療」と検索してみると、148000件のヒットです。「歯周病 治療」では154万件、「歯周病 薬」が358万件、「歯周病 外科治療」でも297000件ありますので、まだまだ特殊な治療方法のようですね。

まずGoogleの検索結果のトップに出てくる「日本臨床医療レーザー協会/歯周病のレーザー治療」をクリックしてみます。

そうすると。たしかに色々な情報が掲載してあるのですが、意外にも、協会の所在地の住所とか、代表者などの氏名が見当たらず、少し心配になりました。そこでもう少し調べていくと、最新の治療方法らしいのですが、案外と役立つ情報が少なく、ようやく見つけたのが、朝日新聞系のasahi.com: コラム「健康相談どうしました」の記事でした。
http://www.asahi.com/health/soudan/jhealth/TKY200707280327.html

「レーザー治療のメリットとデメリットを教えてほしい」という、2007/08/20付けの、ちょっと古い記事ですが、東京医科歯科大学大学院医歯学総合研究科歯周病学分野の渡辺久准教授(2007年現在、以下同)が、「最大のメリットは照射した部分が殺菌・消毒されるので治りが早いこと」という回答をされています。

その回答の中で、渡辺先生は「レーザーを歯科の治療に応用するメリットは従来、機械的作用で行っていた処置を光作用で行うことにあります」と説明しています。

「機械的作用を光作用で」、何だそれは??と思われた方々が大半ですよね。

それもそのはず、このasahi.com「健康相談どうしました」の渡辺准教授の記事を詳細に読んでいくと、レーザー治療の歯科における一般的なメリットは詳しく書いてありますが、歯周病治療については、あまり詳しく書いてありませんでした。
簡潔にまとめられた600文字位の解説ですが、そのうちレーザー治療の有用性を述べられているのは50文字程度でした。

全体の文脈からは「レーザー照射の付加価値、照射した部分の殺菌・消毒により病気の治りが早くなる」と肯定的ですが、やはりまだ一部の先生方が取り組まれている発展途上の治療方法のようですね。

続・歯周病治療の料金について考える

先月の『歯周病治療の費用と健康保険』に引き続き、「歯周病治療は保険が効くか」という質問について考えてみたいと思います。

先日来院された30代のOLの患者さんからのご質問は、先月まで他の歯科医院に通っていましたが、歯肉の精密な検査の結果、かなりひどい歯槽膿漏と診断され、歯と歯茎の間に固まっている歯石をきれいに取り除く治療をするのに保険が効かないといわれましたがどうでしょうか、というご質問でした。

一般的に、歯医者さんの治療で保険が効かないのは「差し歯」とか、最近では「インプラント」のような「歯を入れる治療は保険外」というように思っている患者さんが大半かと思います。
ところが、歯周病の治療やむし歯の治療のような、いわゆる「歯を入れる」という治療方法以外にも保険外の部分があります。

従って、このご質問に対する回答は、「歯周病治療は保険が効く」と単純に答えられない部分があります。
前回も書きましたように、ごく一般的な歯周病の初期治療には、6回に分けて固まった歯石をきれいにする治療を行います。

この治療方法を説明された前記の女性患者さんは、「保険はきかないのですか?」と質問をしたところ、保険では歯肉より上についている歯石しか保険適用されないとの説明を受けたそうです。
この前医の先生の回答は、もしこれだけの説明だけだとしたら保険医療養担当規則という厳しい法律に違反する「虚偽の説明」ということになります。なぜならば「歯肉の下の部分に固まっている歯石を取り除く治療」は、完全に保険適用と明記されているからです。

ただし「もしこれだけの説明だけだとしたら」と断ったのは、場合によっては歯科医師の自由裁量によって、保険適用の治療方法の適応外で、保険給付外治療方法の選択が望ましいと説明した上で、自由診療を行うことは問題ありません。

どういうことかと言いますと、保険医でありながら保険給付可能な診療を拒否する事は保険医療養担当規則違反にあたりますが、「一般には保険給付の対象の治療ではあるが、当院ではその治療方法は行いません」ということは歯科医師の自由裁量ですから、十分な説明を聞いた上で、患者さんの自己責任で当該医療機関での受療を判断する必要があります。

日本における国民皆保険制度は、「患者さんの判断で、どの医療機関を受診することもできる」という、世界にも類を見ない素晴らしい制度です。そのような素晴らしい制度には、当然のように患者さんの側にも「医療機関は自分で判断する」のは自己責任ということでもある訳です。

歯周病は人類史上最大の感染症

歯周病は人類史上最も感染者数の多い感染症とされ、ギネス世界記録にも載っているそうです。

歯周病は歯を失うだけでなく、心筋梗塞や糖尿病などの生活習慣病などを悪化させるなど、皆様の全身の健康状態に悪影響を与えます。厚生労働省の歯科疾患実態調査によると、歯周疾患に罹患している割合が、五十代の人で約半数に達しており、また高齢者の歯周疾患患者が増加していると言われています。

フリー百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」で「歯周病(歯槽膿漏)という病気」を調べてみると、人類史上最も感染者数の多い感染症とされ、ギネス・ワールド・レコーズに載っているほどである。日本が「歯周病大国」と呼ばれているとの主張もありますが、一方では、この統計には8020運動の推進などにより、高齢者になっても残っている歯の本数が増加し、統計上は必然的に歯周疾患が増加しているという指摘もあります。

この病気は24~25歳頃から始まり、ゆっくり進行することが多いため、特に40大半ばからは進行が早くなり、歯がぐらぐらになって、抜歯や入れ歯となるケースが増えてきます。別名、サイレントディシーズ「静かな病気」とも呼ばれています。
なぜ歯周病(歯槽膿漏)という病気になるのでしょうか?実はこの病気は虫歯と同じ細菌感染症なのです。その細菌の固まりがプラーク(歯垢)です。ですからプラーク、あるいは歯石がついていないことが重要です。

太古の時代には人間は歯ブラシを持っていませんでしたので、理屈から言えば、プラークは健全な食生活で落とすことが出来ますが、歯石はブラシでは落とすことができません。そのため、歯石を取るためにはスケーラーという特殊な器具が必要で、この器具を使って歯科衛生士が歯石を取っていきます。

つまり、毎日きちんと大切なご自分の歯を磨いても、いつの間にか歯周病(歯槽膿漏)という病気にかかっている可能性があるということです。歯石は歯周病(歯槽膿漏)という病気を引き起こす原因と考えられがちですが、歯石が病気を起こすのではなく、プラークの増殖を助けるため、定期的に歯石を取らなくてはいけません。歯周病には、これらのプラーク以外にも「歯にかかる過大の力」「ストレス」「たばこ」「糖尿病」などの原因が複合的に関与しています。この中で最も大きな危険因子が喫煙ですので、歯周病対策には、まず禁煙が必要です。

「歯肉が腫れる」「歯肉から出血する」「口臭が気になる」「歯がグラグラする」などの歯周病特有の症状がなくとも、このような症状が現れる前に定期的に歯科医院で健康をチェックすることが大切です。

「症状が気になったら、すぐに歯科医院を受診してください」と言っている歯医者さんは予防に熱心でない場合が多く、あまりお勧めできません。ただ、予防に熱心でない先生方(比較的古い世代の先生方)は、案外と抜歯が得意だったりするので、大切なご自分の歯を抜いてもイイと思っている患者さんにはお勧めかもしれません。

歯周病治療について⇒ 

歯周病治療の費用と健康保険

時々、「歯周病の治療は保険が利きますか」「歯石除去は保険適用外ですか?」などのご質問を頂くことがあります。

基本的に歯周治療はレーザー治療や特殊な薬を用いた治療を除いて、歯肉を切開して、頑固な歯石を取り除く、あるいは細菌に侵された骨の表面を健康な状態に戻す歯周外科手術に至るまで全て保険適応内となります。

もちろん歯周治療を自由診療で行っている先生方も大勢おられますが、最近の健康保険制度では歯石除去、歯垢・歯石の掻爬、歯周外科処置、病状が安定した後の定期的なメンテナンスまで保険が適応されます。原則としては保険医指定を受けている場合は、保険医療養担当規則という厳しい法律があり、保険適応の診療を拒否する事は出来ません。

一方では、その療養担当規則同様に、本来は自由裁量である医療行為を、歯石除去は何回まで、使える薬は○○と○○に限る、再発しても一定期間は再治療禁止などの事細かな規則があるのも事実です。そういう規制は患者さんのためにならず、それを理由に歯周治療を自由診療で行っている先生方がおられます。

例えば、一般的な歯周病治療歯は、口の中を上下に二分割して、さらに上顎・下顎を左右の奥歯と前歯の三つのブロックに分けて、合計六分画に分けて治療をします。

この治療は校正中立な立場から見ても、少なくとも一回1万円位が妥当と言うのが歯科医師の大半の意見です。ところが健康保険制度では、わずかに3千円位しか給付されません。この場合、患者さんの窓口負担は千円程度ですので、受診率の向上には役立っています。

もし窓口負担が毎回3千円~4千円だったら、「もうちょっと悪くなるまで我慢して、痛みが出たら歯医者に行こう」という患者さんが増えてしまいます。

そうは言っても、歯科医師の大半の意見が、少なくとも一回1万円位が妥当な治療が、保険医療養担当規則に従った場合は3千円では、良心的な先生方ほど歯周治療を自由診療で行いたくなる気持ちもご理解頂ければと思います。

これらの説明は、あくまでも一般論ですので、歯科医院や地域(都市部と地方)では異なる場合もあります。

実際にご自身が治療を受ける際には、よく説明を聞いてからご判断頂ければ幸いです。

また、「安いから」「高いから」という治療費だけで歯科医院を選択するのではなく、ご自身の健康増進のためのコストパフォーマンスを考慮して、最も適切な歯科医院をご選択頂ければと思います。

歯周病治療に限らず、治療費や治療方法の説明に時間をかけてくれる歯科医院をお勧めします。

歯周病のお話はこちらから⇒

オーラルケア商品だけで歯周病は改善しますか

どうしても歯医者に通う時間のない方や歯医者嫌いの方々に、洗口剤やオーラルケア商品の歯周病改善効果についてご説明します。

時々患者さんから歯周病予防のオーラルケア商品や洗口剤だけで歯周病は治りますか、と聞かれることがあります。その中でも、ちょっと返答に困るのが、「歯周病予防を謳っているものと、歯周病の症状を改善するものは違いがありますか、どっちが良いですか」というご質問です。

結論から言いますと、歯周病の程度にもよりますが、改善効果は現れますが予防とか改善という言葉とは少し違います。たしかに「改善」には違いないのですが、患者さんが求めている「改善」と、これらの商品によってもたらされる「改善」には差があるようです。

一般的には歯肉炎や歯周病と総称されていますが、極初期の歯肉炎から、グラグラで、今にも歯が抜けそうな重症の歯周病までいろいろで、歯周病の予防を謳い文句にしている商品で「改善」が可能なのは歯肉炎から初期の歯周病位までと考えていいでしょう。

一般的にこういった商品の効能は、殺菌作用やバイオフィルムと呼ばれる最近の固まった薄い膜を柔らかくしたり、弱めたりすることが目的です。

そして、これらの弱った細菌やバイオフィルムは、機械的に歯ブラシや超音波ブラシなどでこすり取らなければ意味がありません。

まず、歯科医院でちゃんと診断を受け、毎日の歯ブラシの補助的にもこういった商品の使用をお勧めします。

また、ご自分で歯垢(プラーク)の検知腋を使って、じっさいに細菌のこびりついている部分を染め出したりすることも大切です。軽度のものも含めると、30代の日本人の80%以上が歯周病と言われていますが、それだけ十分な口腔内ケアができていないということの証明でもあります。きれい好きな日本人ですから、オーラルケア商品は良く売れているのですが、この結果を見ると「改善」の程度はけっして高くないようですね。

そうはいっても、やはり「何とか歯医者さんに行かずに、自力で予防をしたい」という人には、イソジンうがい薬などのヨード入りの含嗽剤とウォーターピックの併用や、フッ素入り歯磨きと超音波ブラシの併用などもお勧めの方法です。

逆に、歯磨き剤の多用は刷掃時間が短くなる傾向がありますので、ごく少量の使用をお勧めします。

妊娠中でも歯周病の治療は可能でしょうか

妊婦さんの歯科治療は「安定期がいい」とよく言われますが、それは虫歯でも歯周病でも同様です。

時々患者さんから「妊娠○○か月ですが、以前から歯周病と言われていたので、この際、きちんと治療をしたいのですが」とか、「妊婦検診で歯周病と言われましたが、治療可能でしょうか。」などのご質問を頂きますが、場合によっては治療が難しい場合もあり、お答えに困ることがあります。

妊婦だからと言って歯科治療が出来ないと言うことはありません。「子供にカルシウムを取られた」などと言われるように、妊娠から子育ての時期に口腔内の状態を悪くする患者さんが大勢おられます。
また、つわりの時期で歯磨きも難儀くなったり、唾液の量が減って自浄作用が低下したりして、お口の中の環境はけっして良いモノではありません。

ただ残念ながら、中には虫歯も歯周病もかなり悪くなるまで放置していて、何を思ったのか「このさい、徹底的に治したい」とおっしゃって来院される患者さんもおられます。もちろん、その心がけは良いのですが、「出来れば、もっと以前に来て欲しかったなあ」という患者さんが少なくないのも事実です。

ある程度本格的な治療になりますと、レントゲン撮影や投薬が必要になりますし、治療の刺激もけっして小さいものではありません。一般的に安定期に入ってからの治療がいいと言うのは、つわりも落ち着き、身体を動かしても差し支えないという意味であって、どんな歯科治療でも可能という意味ではありません。

一方では、状態にもよりますが、歯周病は早産に影響するという報告もありますので注意が必要です。

>歯周病の妊婦は早産・低体重児出産のリスク
>2005年03月22日
>歯周病にかかっている妊婦が出産すると、早産になって低体重児
>となるリスクが高まることが、日本人を対象にした疫学調査で分
>かった。これは、今年2月に東京で行われたライオン主催の健康セ
>ミナーで、北海道医療大学歯学部教授の古市保志氏が報告した
>切迫早産の妊婦では歯周病菌が4.5倍も
>日経BPネットより引用

http://www.nikkeibp.co.jp/archives/365/365940.html

歯周病・虫歯の治療は、基本的に妊娠中控えるべきものではありませんが、麻酔やレントゲン撮影、投薬などで避けるべきものもありますので、結婚前からの定期検診やかかりつけ歯科医をもつことを強くお勧めします。

いびきと舌癌の関係~その2

ネット検索で「いびきと舌癌」は無関係と早合点した人は要注意。

4~5年前ならいざしらず、さすがに最近ではYahooやGoogleの検索結果を鵜呑みにする人は減ったと思いますが、「acドメイン絞り込み検索」などのテクニックを駆使して辿り着いた検索結果ならば、ある程度信頼しても良さそうです。
ところが、前回の「大学関係の情報の上位100件までの抄録部分の記載を見る」という方法は、かなり信頼性のある方法ですが、実は落とし穴もあります。それは「同義語検索の限界」ということなんです。

このお役立ち情報では、お口の健康情報を提供するとともに、患者さんたちが自分でネットを色々調べる方法についても解説しています。それは「情報開示 自己責任」という健康管理に関する基本的な考え方と、「私達の言うことを鵜呑みにしないで、いろいろ調べてね」というスタンスでもあります。

患者さんの中には「お前は歯医者なんだから、治すのはお前の責任だ、サッサと上手にやれ」という姿勢の人が時々います。こちらでは「病気になったのは貴方ですよ、私たちが病気にしたのではないですよ」と言いたいのですが、往々にしてそういう患者さんは聞く耳を持たない人ばかりですから厄介です。やはり健康管理は自己責任、医療は公的なもので限界もあるということをご理解頂きたいと思っています。

少し話がそれてしまいましたが、何が言いたいかというと、医療や健康管理にとって、もっとも大事なのは情報であり、全ての患者さんが最新の情報を簡単にわかりやすく入手でき、その上で自己責任で病院を選び、治療方法を選択できるというのが理想だと思っているので、いろいろな検索方法などもご紹介している次第です。

本論に戻りましょう。「同義語検索」というのは、「舌癌」とか「いびき」などの検索語そのものではなくその同義語に基づく結果も表示する機能で、Googleが2010年1月から正式に取り入れ始めました。もちろんGoogleでは、ずっと以前から関連キーワードや類義語なども考慮した検索結果を表示していましたが、公式な表明が行われたのは最近のことなんです。http://www.itmedia.co.jp/enterprise/articles/1001/20/news082.html
Googleは同義語による検索結果に関する研究を5年以上続けており、その精度は同義語を含む結果を持つ検索50件につき、不適切な結果はわずか1件だったということで、かなりの精度ではありますが、実は完全ではありません。

例えば、「舌癌」と「舌がん」では検索結果が、834000件と295000件というように、かなり違ってきます。この両者を検索する人のニーズは、まあ、ほぼ同じなワケですから、「同義語検索」を信頼しすぎるのは、時期尚早ということが言えます。

では前回お話した「舌癌といびき」の関係ですが、「舌癌 site:ac.jp」の検索結果100件の抄録には「いびき」というキーワードは出てきませんが、「舌がん site:ac.jp」の検索結果の方には4件の抄録に「いびき」というキーワードが含まれており、やはり「やや関係あり」ということがわかります。

いびきと舌癌は関係があるか

すでに番組としては終了した「タケシの本当は怖い」は、かなりインパクトのある番組でしたね。

インターネット時代のいいところは、こういうおもしろかった番組の過去の抄録が、番組ホームページで見られることです。ちなみに同番組の場合は2004/04/13放送が第一回のようで、なんと初回番組の内容が「本当は怖い虫歯~虫歯が引き起こす恐怖」で、「いびきが舌癌の最終警告」という衝撃の内容でした。

気の早い方は「いびきをかくと舌癌になるのか??」と思われるかもしれませんが、それは違います。どういうことかと言いますと、同番組の説明によると「ガンで腫れあがった舌がのど元に垂れ下がったために、気道が狭くなり、いびきをかくようになったのだ」ということのようです。

たしかに三段論法のようなもので、その通りではありますが、この論法は少し気になりますね。さっそく、いつものようにネットを駆使して「ウラ」を取っていきましょう。

まずいつものようにフリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』で「舌癌」を調べ、そのページ内で「いびき」というキーワードがあるかどうか調べてみました。結果はゼロ。では逆引きでやってみましょう。

ウィキペディアで「いびき」を検索して、ページ内検索で「舌癌」を調べましたが、こちらもゼロでした。

ただ、これだけで「舌癌といびきは無関係」と言い切れないので、直接Googleで「いびき 舌癌」と検索してみました。結果は12200件。ところが検索結果をよく見ると、案の定「タケシ、、、」「本当は怖い」「たけし、、、」などの番組内容に関連した書き込みが相当数ヒットしました。

そこで「除外検索」という方法で、「舌癌 いびき -たけし -タケシ -本当は怖い」と検索してみました。

結果は11700件。上位表示からは「タケシ」関連のデータはなくなりましたが、これだけの数がヒットするということは、、、どうも関係はありそうな予感。ただ、知りたいのは「いびきをかくと舌癌になるか」あるいは「いびきは舌癌の前兆か」ということなので、もう少し調べてみます。

今度はGoogleで「いびき」と検索して、さらに「acドメイン絞り込み」を併用しましょう。これは以前も書きましたように、大学関係の情報だけを検索する高等テクニックでしたね。まず「いびき site:ac.jp」のヒット数は3360件。検索結果の上位100件までの抄録部分だけをザッと見渡しても「舌癌」の記載はなし。逆引きで「舌癌 site:ac.jp」のヒット数は11300件。上位100位以内の抄録部分に「いびき」の記載なし。

「acドメイン絞り込み」で表示される検索結果は、大学関係の論文なども多数含まれているため、他の情報に比べて「抄録」がきちんと書いてある場合が多く、その中の上位100件に「いびき」や「舌癌」の記載がないということは、どうもあまり関係ないらしいですね、、、と言いたいところですが、、、。
実は、この検索方法には致命的な欠点があったのです。では、その致命的な欠点とは、、、。

インプラント時代の入れ歯再考~その1

「歯が無くなったらインプラント」って、それはインターネットでの情報過多ではありませんか??

インプラントという言葉、ここ数年で良く聞くようになりました。それもそのはず、YahooやGoogleで「インプラント」と検索すると、何とGoogleで2470万件、Yahooで8890万件もヒットしてしまいます。それに比べて、入れ歯や義歯での検索結果はGoogleで1/3、Yahooでは1/5です

どうして、こんなにも差があるのでしょうか。それほどインプラントは普及しているのでしょうか。
もちろんインプラントの利点はたくさんあります。高額な治療費に見合うメリットがあるからこそ、多くの患者さんがインプラント治療を望むのは正しいことです。

ただ、やはり世の中には「常識的な線」というものがあるのではないでしょうか。

常識的な線、それは「需要に見合った情報量」という意味です。潜在的な需要に対する必要十分な情報量というものが計算可能だとすれば、現在のネット上で発信されているインプラントの情報量は明らかに過剰だと思われます。もちろん、そのような計算式は存在しないでしょうけれども、下記のデータをご覧下さい。

厚生労働省の平成17年歯科疾患実態調査結果によれば、50歳の平均「抜けている歯」の本数は1.6本です。(注:親知らずを除いた正常の本数は28本)

年齢階級45歳~49歳での1人平均現在歯数26.4本(実態調査結果の概要・表16)
http://www.mhlw.go.jp/topics/2007/01/dl/tp0129-1-20.pdf

従って、どう考えてもインプラントに関心を持つ年齢は50代以降ということになります。

では、50代以降の方々が感心を持つ様々なテーマ、例えば年金、リタイア、あるいは老眼、高血圧などの検索結果はどうでしょうか。年金の4800万件(以下、Googleでの件数)はともかく、その他のキーワードに比べてインプラントは、やはりそれだけの需要があるといことでしょうか。

用語 Google Yahoo
年金 4800万件 19600万件
リタイア 859万件 1880万件
老眼 872万件 1430万件
高血圧 1740万件 3510万件

一般論として、適切な情報量以上の情報が提供されている場合、それは人々をある方向に誘導しているのではなかろうかと疑ってしまいます。インプラントの例で言えば、「適応症の拡大解釈」、あるいは「効果効能の誇大広告」という見方も出来なくはありません。
もちろん、食生活やかみ合わせはシニアの最大関心事ですが、それにしても情報過多ではないかと思うのは私だけでしょうか。

« 1 6 7 8
PAGETOP