「お箸」はどちらの手に持ちますか? 

野球では、スイッチヒッターのように右でも左でも大丈夫という人もいますが、一般的には、お箸と同じように、文字を書く時に使う手も決まっていることでしょう。

右利きの人、左利きの人があって、習慣的に得意なほうを使うことで、物事をより上手にやり遂げることができます。多く使う側は、ますます技量が上達して、効率も上がることになります。

さて、今度はお口の中の話です。

口に運ばれた食べ物は、まず舌の上に乗せられますが、次には、左右どちらの歯の上に乗せられるのでしょうか?

食事の時に注意深く観察してみると、右利き・左利きと同じように、「噛みやすい側」というのがあるようです。その左右は必ずしも利き手と関係はないようですが、多くの方は右か左かはいつも決まっていて、優先的に使われる側というのがあるのです。これを「咀嚼側」と呼んでいます。

ただ、どちら側を優先的に使うかは不変ではなく、条件によって変化することもわかっています。まあ、右手を骨折したら、左手を使うようなものかもしれません。たとえば、本来は左側が咀嚼側だった場合でも、左の奥歯が抜けてしまったあとには、より歯の揃っている右側を使うようになったりします(これを代慣性機能といいます)。

無意識のうちに、能率の上がるほう、噛み心地のよい側を選択して噛んでいると思えますが、歯が少なくなっても、以前からの習慣が継続されて同じ側が使われている場合もあって、よくよく確かめてみないとわからないこともあります。

問題は、頻繁に使われる側の歯にトラブルが多いということなのです。これも同じ部分を繰り返し使うことで、より使いやすくなり、それがまた噛む力の集中を促す悪循環となって問題を起こすことになるのです。

しかも、この現象もまた無意識のうちに行われていて、危機意識がないことも事態を難しくしています。意識して、両側を使うようにしてほしいのです。