歯を失う二大原因は虫歯と歯周病といわれています。特に歯周病による歯の損失は多く、50代以降の半数以上が歯周病で歯を失っていることが分かっているのです。

そのほかにも、衝撃による破折や矯正が原因で歯を失うこともあります。

歯を失う原因

歯周病には病原菌がいる

私たちの歯にこびりつく歯垢(プラーク)は、まさに細菌のかたまりです。わずか1mg中に10億もの細菌がすみついているといわれています。その細菌の中に、むし歯の原因菌や歯周病の原因菌がいるのです。では、歯周病の炎症に関係しているのはどのような細菌なのでしょう。現在、10種類の細菌がわかっています。

まず、歯肉炎を引き起こすのは、歯ぐきより上の歯顎部の歯垢にいるアクチノマイセス・ビスコーサス菌やアクチノマイセス・ネスランディ菌。一方、歯周炎は歯周ポケットの中にひそむ空気を嫌う菌(嫌気性菌)が原因となります。

その種類としては、ポルフィロモナス・ジンジバリス菌(成人性歯周炎)、プレボテーラ・インターメディア菌(若年性歯周炎)などが知られています。いずれにせよ、歯周病は細菌感染症といえます。

歯周病はサイレント・ディシーズ

糖尿病、高血圧症、心臓病といった生活習慣病に共通しているのは、初期段階では本人にあまり自覚症状がないことです。このような病気のことを、サイレント・ディシーズ(静かな病気)と呼んでいます。生活習慣病のひとつである歯周病もその仲間。気がついたときには、かなり進行しているケースが多いのです。

こうして歯が抜けていきます

成人の80%前後が歯周病になっているにもかかわらず、自分がそうだとわかっている人、あるいは自分が歯周病のどのレベルであるのか知っている人は、意外に少ないようです。そこで、歯周病の進行プロセスを追ってみましょう。まず、歯肉炎では歯ぐきがたまに腫れたり、赤く充血したり、歯ブラシに血がにじむ程度です。

初期の歯周炎になると、歯周ポケットができ、歯周組織の破壊がはじまります。歯が浮くような感じがすることもあります。中期歯周炎になると、歯ぐきがやせたりブヨブヨになる、食べ物が歯にはさまりやすくなる、口臭がする、硬いものが噛みにくくなる…といった感じになります。

やがて末期の歯周炎になると、歯槽骨がほとんど無くなり、歯の根が露出します。歯は著しくぐらついて、最後は抜け落ちます。

歯周病の進行